優雅な避暑……のつもりが腕まくりでクルマと格闘|スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第9回 後編

元歌劇スターとしては、たまにはエレガントに過ごす休暇などをご覧に入れようと、計画しました夏の清里。クラシックホテル、乗馬、ブルーベリー摘み、バレエ鑑賞。ええ、計画まではカンペキだったのですが……。



 想像以上に素晴らしいホテルでした。エアコンがなくても、夢のように涼しい! 蚊もいない! 屋外にいるほうがかえって気持ちがいいぐらいで、清里滞在中ずっと、ノスヒロ手ぬぐいをキリリと頭に巻き、地べたに座りこみ、エンジンルームに頭をつっこんでいても「爽やかな風に吹かれ、鳥のさえずりに包まれて、一日クルマとつき合っている、私は本当に幸せ」と心から思えました。優雅な避暑でした・・・、 ホントに! 

 いろいろな方に力を貸してもらい、思い当たることを手当たり次第やって、なんとか走れるようになって、また溶けるほど暑い東京まで帰る。


クルマ 人物
スヒロ手ぬぐいでキリリと鉢巻き姿にもなりました。


 その足で加藤モータース販売に行って様子を見てもらったところ、不調の原因は「マフラーへのガス詰まり」。3速でアクセルを踏みこんでクルマにムリさせるとそうなると言われ、大好きなレディーバードにはいつも丁寧に乗っていたから「そんな走りをした覚えは……いや、そういえば?」。

 気をつけているつもりでも、つい現行車感覚で走ってしまう時があった。まだまだ私の運転技術は未熟なのだ、と大貴誠は反省しきり。もっとクルマを感じて走らなくては。

 こんな症状になったら、新品のプラグにつけ替えてエンジン点火、溜まったガスを吹き飛ばす!というのが対処法の一つだったそうで、「必ず持とう新品プラグ」を頭に叩き込む。使い古したのを自分で磨いたものはたくさん持ってたのですが。

 清里で2日間やった作業は、ほとんどクルマの不調とは関係ないことだったけれど、こうして少しずつ、レディーバードとの距離は縮まっている……んじゃないかという気がしている、大貴誠でした。

スバル360 ダッシュボード
なんとか走りきってくれて、ありがとう!


人物 大貴誠
大貴 誠(だいき・まこと) OSK日本歌劇団・元男役トップスター。ノスヒロをむさぼり読んでいた日本で唯一の歌劇スター。2010年夏、念願のスバル360を入手。このクルマと一緒に日本中を旅する予定。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年12月号 Vol.154(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Rueka Aoki/青木るえか photo:Rumi Matsushita/松下るみ

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