クラシックカーを1/8の金額で購入し、共同所有するという新事業を開始したRENDEZ-VOUS(ランデヴー)

バーンファインドの1975年式ポルシェ911(930)ターボ3.0

       
【バーンファインドのポルシェ930ターボを1/8共同所有】

この4月14日~16日に千葉・幕張メッセにて開催されたクラシックカー/コレクターズカーのトレードショー「オートモビルカウンシル2023」の会場にて、一台のポルシェ930ターボが異彩を放っていた。

【画像20枚】納屋から発見されたままの75年式ポルシェ930ターボの姿

ほかの出品車両たちが美しく磨き上げられているのに対して、こちらの930ターボは全身を埃が覆い、オレンジ色のボディがくすんで見えるのだが、同時になんとも不思議なオーラのようなものも感じられる。

このポルシェ・ターボを持ち込んだのは、浅岡亮太代表を始めとした若き自動車愛好家たちが結集し「1/8共同所有」というまったく新しい販売スタイルで、国内旧車界に旋風を巻き起こしているスタートアップ企業「RENDEZ-VOUS(ランデヴー)」である。






【RENDEZ-VOUS初のレストアプロジェクト】

昨2022年に正式スタートしたRENDEZ-VOUSでは、これまで1989年式フェラーリ・テスタロッサ、1974年式フェラーリ365GT4/BBのセールスを仕掛け、それぞれ8人ずつの共同所有オーナーのもとに無事届けてきた。

また、2023年4月の段階でも1967年式ジャガーEタイプOTSシリーズ1、1973年式ポルシェ911Sタルガなどを同時に売り出し、周囲を驚かせる実績を挙げているという。

いっぽう同社では、埋もれていた名車を蘇らせるレストアプロジェクトも創業した当初から準備していたそうだが、今回が初お披露目となった1975年式ポルシェ911(930)ターボ3.0は、その第一弾として用意されたレストアベース車両なのだ。

3.0リッターの初期型930ターボが製造されたのは1975年~1978年のわずか4年間。その中でも最初期の1975年モデルは、約280台のみの製造とされている。日本には、当時の総輸入代理店が通算50台目となるホワイトの個体を初めて輸入し、当時はデモカーとして使用。スーパーカーブーム直前だった日本の自動車専門誌でも、その迫力たっぷりの姿を披露していた。

そしてこちらのオレンジの個体は、シャシーナンバーが国内一号車と連番となる51台目。顧客に納車された930ターボとしては、第一号にあたる。

1975年(昭和50年)に新車として入手したファーストオーナーは、20年ほど前に逝去するまでこのクルマを保有し、没したのちはご家族で引き継いだものの、さすがに荷が重かったのか、その後はずっとガレージにしまい込まれていたとのことである。

つまり、ワンファミリーオーナー車にしてフルオリジナル、希少ボディカラー、かつ走行距離3万km台と、まさしく奇跡のような930ターボとして現在に現れたことになる。だからこそ、積もった埃を払うこともなく、発見当時のままの状態で展示されたのだ。

8人分の購入権が確定したのちに開始となるレストアは、当時の総輸入代理店に勤務していた腕利きのメカニックたちによって行われるとのことである。

そして一人当たりの販売価格は595万円。その内訳は、車両購入費が452万5000円、レストア預かり費が100万円、そして維持管理費が42万5000円となる。したがって、1/8所有権購入費用にはレストア分が含まれるものの、もしも余剰が出た場合はレストア完了後に返金するとの由である。

さらにこのプロジェクトの特質として、共同オーナーとなる顧客はレストアから参加することになる。その作業過程をオーナー全員で享受できるよう、進捗状況については随時レポート。完了後にはその過程をまとめたレストアブックをお渡しする予定という。

また、完成のあかつきには納車式への参加権利、一年後と目される売却時には売却額の分配、そして売却時の優先購入権も1/8共同所有オーナーの特権となるとのことである。

この930ターボの1/8所有権の募集は5/14日まで。4/19日時点で5枠の申込みがあり、残り3枠となっている。気になっている人は、早めに問い合わせた方がいいだろう。

ちなみにRENDEZ-VOUSでは、このあと「Nostalgic Hero」および「ハチマルヒーロー」そして「NosWeb」の読者諸兄が最も期待しているであろう、国産クラシック/ネオクラシックカーの1/8共同所有プロジェクトも準備が進められているそうなので、今後の展開にも注目していきたいところである。






text:Hiromi Takeda/武田公実

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