ウインカーやライト、ワイパーも！　リレーやヒューズをデジタル制御に【2】MoTeC PDM15｜パーツセレクション

リレーやヒューズの機能を集約し、電気配線の効率化やメンテナンス性の向上が図れるモーテックの「PDM」。
その機能は旧車にも最適で、劣化が進んだハーネス系のトラブルとも確実にサヨナラできる

【 MoTeC PDM15　Vol.2】

【1】から続く

　さらに、セルモーターの電源回路は、年式の古いキャブレター時代の旧車では、始動電流を、バッテリーからキーシリンダーを経由してセルモーターに流しているクルマが多く、非効率で、電流も不安定になりがち。キーシリンダーにガタが出ている車両では、接点不良によってキーを回してもエンジンの始動がなかなかできないことがよく起こる。そんな症状も、PDMで電源を一つにまとめれば、エンジンスタート時のキーシリンダーの役割はスイッチ信号を送ることのみ。キーをスタート位置まで回しさえすれば、PDMからエンジン始動に必要な電力がセルモーターに確実に届けられるのだ。

　また、リレーやヒューズの機能をデジタル制御で行うPDMは、パソコンで、電装品の作動システムを自由に構築できる点も魅力だ。リレー機能では送る電流や作動時間が自由に調整でき、ウインカーやライト、ワイパーの作動といったことまで自在に行える。一方、ヒューズはアンペア数の設定だけでなく、通電を復活するタイミングの指定も可能だ。さらに、オプションで用意された専用のスイッチモジュール「キーパット」を組み合わせれば、なんとスイッチまで一元化。配線の取り回しを一段とシンプルにできるし、スイッチの多くに不安を抱える旧車ユーザーもこれで一発解消だ。

　電源供給をここまで近代化できるとなると、ハーネス自体の性能にもこだわりたいところ。モーテックが用意する「ミルスペックワイヤー」は、耐熱や耐老化性において、米軍準拠の性能をクリアする自動車専用の高性能配線。一般的な自動車用のそれと比べ、定格電流値が大きく、その分、配線をスリム化できる。PDMを使って配線を引き直す場合は、ぜひペアで使いたい。


>>【画像21枚】本体の中央にあるBATT端子がバッテリーとの接続場所。PDMに接続された電気パーツの電源は、すべてPDMから供給される仕組みになる。リレー機能もヒューズ機能もブレーカー機能も、軽量なマグネシウムボディのボックス一つがこなす



>> 【コクピット】 各種スイッチが集まるコクピットまわりは最も配線が集中する場所。エンジンルームに比べ環境は良さそうだが、旧車の場合、経年劣化は避けられない。多くの配線やリレーが、正常に機能する耐用年数をはるかに超えており、レストアの必要性はエンジンルームと変わらないのだ。






>> 純正の電装パーツの配線が、一度は必ず通過するヒューズボックス。PDMを導入すれば、旧車の古典的な管ヒューズが取り払え、配線の取り回し効率もよくなる。






>> PDMはデジタル回路でスイッチングするので、ランプの手前までは配線の共有が可能だ。ミルスペックワイヤーは0.5スケアで最大14Aを許容してくれる。

Shop Information／速く、美しく、そしてタフ。近代的な旧車チューニングが評判

旧車のチューニングやカスタムにおいて、最新のパーツやシステムをどんどん取り入れていく。性能はもちろん、仕上がりの美しさにこだわる中川さんにとって、MoTeCのPDMとミルスペックワイヤーは欠かせない存在だ。



「PDMは配線のチューニング。電気系の信頼性が格段に高まり、メンテしやすく、軽量化にもつながる。車種を問わずおすすめですわ」と中川英明さん。

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初出：ノスタルジックスピード vol.019　2019年2月号
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

MoTeC PDM15（全2記事）


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