あの風吹裕矢の「レーシング・スペシャル」【1】「幻の多角形コーナリング」を初めて実現させたクルマ|ヤタベ RS|サーキットの狼世代へ

「幻の多角形コーナリング」を初めて実現させた「レーシング・スペシャル」

       
誰しもが通ったであろう「サーキットの狼」という漫画。この作品が登場するまで実在するクルマを描き切った作品がなかったことに加え、漫画に登場するスーパーカー群を乗り継いできた作者によるリアルなエピソード。そして、1人の暴走族がF1レーサーへと成長する過程を丁寧に描いたストーリーに酔いしれた。そんなサーキットの狼世代に向け、往年の名車とともにじっくりと堪能できるシリーズをおおくりする。



【 ヤタベ RS  Vol.1】

サーキットの狼 Story 03
風吹裕矢のコーナリング感性を最大限に引き出した名車

サーキットの狼がもっとも高い人気を誇る流石島レース出場車両で、主人公・風吹裕矢のクルマとしてはロータス・ヨーロッパに次いで知名度の高い車両。裕矢のコーナリングテクニックの代名詞ともなっている「幻の多角形コーナリング」を初めて実現させたクルマでもある。漫画の中ではディーノ・レーシング・スペシャルという名称であったが、大人の事情からか「ヤタベRS」という名前で実車が製作された。

>>【画像20枚】アクリルでワンオフされた片側2灯のヘッドライトカバーなど。なお、漫画に出てくるヤタベRSはレース専用車両なので、ウインカーは付いてない

 1970年代をわかせた欧州の名車が次々と登場し、誌面狭しと暴れまくった「サーキットの狼」にあって、異色の1台といえるのがヤタベRS(レーシング・スペシャル)だ。



>> 全幅1890×全高1060mmのスペックからもお分かりのように、実車と対峙するとその低さと幅広さに圧倒される。そして、漫画のフォルムを実車にしたスタッフたちの熱意と技術に驚くばかりだ。






>> ディノ246GTのテールレンズを流用したリアビュー。リアウイング、4本出しのエキゾーストも、まさしく漫画から抜け出たかのごとく再現された。






ヤタベ RS (レーシング・スペシャル)

SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高●4470×1890×1060mm
ホイールベース●2355mm
エンジン種類●水冷V型8気筒DOHC4バルブ
総排気量●3185cc
最高出力●273.7ps/7000rpm
最大トルク●31kg-m/5500rpm
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ヤタベ RS (全4記事)

関連記事:サーキットの狼世代へ

関連記事:ヤタベ RS

©︎池沢早人師/animedia.com text:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo:ISAO YATSUI/谷井 功

RECOMMENDED

RELATED

RANKING