スポーツカー史上有数のロングセラー【2】Cd値0.35-0.36! ニューシェイプと呼ばれたボディへ|1991年式 ロータス エスプリSE|ハチマルユーロー

丸形4灯のリトラクタブル式のヘッドライト

       
スーパーカーへと完全進化したロータス

ジウジアーロ時代の先鋭的なデザインを放棄し、より穏当になったロータス・エスプリ。
総計28年もの長寿をもたらすことになったエレガントなスタイリングは
映画「プリティウーマン」や「氷の微笑」で名演するアイドル性をも帯びていた。

【 1991年式 ロータス エスプリSE Vol.2】

【1】から続く

 10年を経て高級化路線にシフトしたエスプリ。従来型に相当するエスプリS3からの最大の進化ポイントはボディ。「ニューシェイプ」と呼ばれた新しいFRP製ボディは、当時ロータス社の契約デザイナー、のちにニューエランやジャガーXJR‐15で名を成すピーター・スティーブンスの手によって再デザインされたもの。全身がシャープなウェッジシェイプで構成され「折り紙細工」とも言われていたジウジアーロ時代のボディラインは、エッジが和らげられて鮮烈な印象こそやや弱められたが、結果的にエレガントな雰囲気も与えられて、より寿命の長いデザインとなったと言えるだろう。

 また、空力的にも有利な形状となったことからCd値はNA版で0.36、ターボで0.35まで向上したことに加えて、当時ロータス社が特許を取得し、トヨタともパテント契約を結んでいた真空吸引成型法「VARI」の採用により、FRPながらプレス鋼板と遜色のない滑らかなボディパネルを実現。より高級スポーツカーにふさわしいアピアランスの獲得に成功した。

 インテリアも、S3までのデザインコンシャスかつスパルタンなものから大きく変貌。シートのみならずドアトリムやダッシュパネル/コンソールもレザー張りとされたうえに、計器盤周辺にはウッドキャッピングが施されるなど、同時代のイギリス製高級車のようなゴージャスな空間が実現した。

>> 【画像22枚】左右のリアクォーターパネルに設けられるフューエルフィラーなど




1991年式 ロータス エスプリ SE


SPECIFICATIONS 諸元
●全長×全幅×全高(mm) 4331×1859×1151
●ホイールベース(mm) 2458
●トレッド(mm) 1524/1554(前/後)
●車両重量(kg) 1300
●エンジン種類 直列4気筒DOHC 16バルブターボ
●総排気量(cc) 2174
●ボア×ストローク(mm) 95.3×76.2
●圧縮比 8.0:1
●最高出力(ps/rpm) 265/6500
●最大トルク(kg-m/rpm) 36/3900
●サスペンション ダブルウイッシュボーン/トレーリングアーム(前/後)
●タイヤサイズ F215/50ZR15 R245/50ZR16(標準の場合)


【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 3月号 vol.34
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 ロータス エスプリSE(全3記事)

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【1】から続く

text : HIROMI TAKEDA/武田公実 photo : KIYOSHI NISHINO/西野キヨシ

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