ソアラ、そのベンチマーク【2】前・中・後期。13年に渡るモデルライフ。BMW 6シリーズの変遷| 1984年式 BMW 635CSi

リアエンドにBMWのエンブレムが装着される

       
美しさと高性能を兼ね備える
ヨーロッパの正統派クーペ

【 1984年式 BMW 635CSi Vol.2】

【1】から続く

 1976年登場のE24・6シリーズ。そのバリエーションは当初、630CS/633CSiの2種だったが、1978年には633に代わって高性能モデルの635CSiを追加。1979年には630CSに代えて628CSiがラインナップされた。その後、BMW初のスーパーカーであるM1のDOHCエンジンをデチューンして搭載したM635CSiも登場した。

 また、6シリーズを大きく分けると1976年から1982年までの前期、1982年から1987年の中期、1987年から1989年の後期に分類することができる。中期ではサスペンションが大幅に改良され、635CSiのエンジンをリファイン。後期では、米国仕様の衝撃吸収バンパー(通称ビッグバンパー)が装着され、ヘッドライトのロービームがプロジェクター式に変更された。このような細部の変更こそあったものの、基本的なデザインを変えずに13年という長期間に渡って生産された6シリーズ。秀逸なデザインと優れた走行性能など、すべてにおいて高いレベルで開発されたからこそ、成しえた技だったのだろう。

 そして、高級車の品格とグランツーリスモの走りを備えた6シリーズは、モータースポーツにも深い関わりがある。先代にあたるCSシリーズが海外のツーリングカーレースで活躍したこともあり、6シリーズもモータースポーツへ積極的に参戦。なかでも日本国内のレースに参戦し、インターテックなどではDR30スカイラインやスタリオン、ボルボなどと競っていたことを記憶している人も多いはずだ。

>>【画像17枚】本国仕様はミリサイズだが、この個体はインチサイズに変更されているタイヤ&ホイールなど。BBS・RSに225/50R16のBS・レグノGR9000を組む




>> BMWの6気筒エンジンは絹のように滑らかに回ることから「シルキーシックス」とも呼ばれる。取材車両はエアクリーナのみ社外品に交換。





>> デュアル出しマフラーはなんとフジツボ製。ちなみに、エキゾーストマニホールドも同社の製品が装着されている。






>> エレガントなプロポーションが6シリーズ最大の魅力。シンプルなデザインゆえ、デビューから40年たった今でも古さを感じさせないのだろう。

1984年式 BMW 635CSi(E24)※本国仕様


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4755×1725×1365
ホイールベース(mm)  2630
トレッド前/後(mm) 1430 / 1460
車両重量(kg)  1430
エンジン型式  M30型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 3430
ボア×ストローク(mm) 92.0×86.0
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps / rpm) 218 / 5200
最大トルク(Nm / rpm) 310 / 4000
変速比 1速 2.478 / 2速 1.478 / 3速 1.000 /
4速 0.728 / 後退 2.090
最終減速比 3.250
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 220 / 55-390(前後とも)
発売当時価格 本国仕様のため不明



【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 3月号 vol.34
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 BMW 635CSi(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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