コレを知っていたらマニアックトークで勝てる! 内部の変更が多く見られるエンジン補機類【トヨタ2000GTの前期と後期、その違い。パワートレイン編】

よく見ると変更点の多いサイドビュー



エンジン補器類やオイルパンの形状も対策仕様に



エンジン関係に関しては、一気に改良しているわけではなく、年式によっても改良が施されており、少しづつ違いがある。






エンジンヘッドやシリンダー内部は前期型も後期型も一緒だが、後期型は補器類やマネージメント系パーツが対策仕様となって改良されている。特にオイルパンの取り付け位置やオイルポンプ自体が異なっており、高回転型エンジンの安定性を高めるための設定としている。



ミッションやキャブレターの内部は改良されていた



エンジンのコーナーでも触れたが、本体には前期型、後期型に変更はないが、補器類やマネージメント系パーツは改良が施されている。





キャブレターも2バレルの40φというのは同じだが、内部は改良されている。またミッションも同様で、ギアレシオなどに変化はないが、内部のパーツに改良が施されている。



ラジエーターの構造を変更



ラジエーターは決定的な違いがある。前期型はオールアルミ製を採用。冷却水のタンク位置が両サイドにあり、水が横方向に流れる設定としてる。後期型は真鍮製となり、冷却水タンクも上側に変更されて、水は上から下に落ちる仕組みに変更される。アルミは熱しやすく変化しにくいという理想的な材質であり、オーバークオリティーな設定だった。写真はビンテージカーヨシノが製作している前期型の完全再現品。





マフラーは主に騒音対策で径と長さを変更



このコーナーで何度も言っているとおり、2000GTが現役だった時期は、法律の改正や安全性の見直しなどが1年ごと変化している。そのために対策をする必要があり、マイナーチェンジすることになったと思われる。





エキゾーストも騒音対策から、パイプ径と長さが異なっている。さらに後期型はマフラー内部に消音対策のパーツが設置されている。とは言っても、この当時のクルマなので、現代のレベルからすれば排気音は大きいし、エキサイティングなサウンドを奏でてくれる。


>>【画像34枚】ウォールナットをあしらったウッドタイプが採用されていたものが、車両法の改正や運輸省の指導による安全対策がすべての自動車に課せられていく時期と重なったことから、後期では内部にラバーを仕込む仕様に変わったホーンボタンなど



ビンテージカーヨシノ
VINTAGE CAR YOSHINO
〒221-0865
神奈川県横浜市神奈川区片倉1-2-2
TEL045-491-7911
http://www.vintage-yoshino.com
営業時間:9:00~19:00 定休日:年中無休


ビンテージカーヨシノ代表取締役
芳野 正明さん


初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

TOYOTA 2000GT 50th Anniversary(全3記事)


関連記事: トヨタ 2000 GT


【1】【2】から続く

photo:ISAO YATSUI/谷井 功、RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックスブックス)

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