当時はローンがなかったので36枚の手形を切って購入した|1969年式 日産 ダットサン フェアレディ 2000

フロントフェンダー左右にはFairlady2000のエンブレムが配されている。

       
フェアレディという車名は、日産のスポーツカーの名前として、今なお、さん然と輝いている。そのルーツは、1959年6月に登場したダットサン・スポーツ(S211)にさかのぼる。翌60年1月にエンジン排気量を1Lから1.2Lにアップ。ダットサン・フェアレデーの車名が与えられ、輸出専用モデル(SPL212)として生産が続けられた。その後のSP/SR、S30フェアレディZと、国産スポーツカーの雄として、多くのファンを魅了したクルマであることは、皆がよく知っている。そんなフェアレディ各モデルを、個体それぞれが持つ「物語」と一緒に、振り返っていこう。

【1969年式 日産 ダットサン フェアレディ 2000 Vol.3】

【2】から続く

「高校生の頃に雑誌でSP311を見て興味を持ち、実際に静岡で展示車を見てホレ込みました。大学生になるとSR311が発売され、とどめを刺されました。就職してすぐは金銭的な理由からS600に2年弱乗りましたが、SR熱が再発し、あちこち探してもっとも程度のよかったこのクルマを購入しました。市販レーシングカーという触れ込みで、蛮カラという評判も気に入りました。当時はローンがなかったので36枚の手形を切って購入したのも懐かしい思い出です」とオーナー。

 購入の翌年に奥さまと結婚し、山口県秋吉台まで新婚旅行に出かけたのもこのSR311。それから、長男が誕生したら奥さまのヒザに乗せて一緒にドライブ。次男が生まれると長男をラゲージスペースに座らせ次男をヒザの上に乗せて旅行へ、長女が生まれると「さすがにマズいだろう」とセカンドカーとしてスバル・レオーネを購入した。

▶▶▶【画像19枚】1967年11月にアメリカの自動車安全基準を満たすため50mm高くなったフロントウインドーなど




もともと淡いイエローだったボディカラーは、ブリティッシュ・レーシング・グリーンにオールペイント。





ステアリングはSP用のボスを使い、momo ジャッキー・スチュワートに交換。


1969年式 日産 ダットサン フェアレディ 2000(SR311)
Specification 諸元
全長 3910mm(オーバーライダー付き3955mm)
全幅 1495mm
全高 1325mm
ホイールベース 2280mm
トレッド前/後 1275 / 1200mm
最低地上高 140mm
室内長 770mm
室内幅 1275mm
室内高 1020mm
車両重量 930kg
乗車定員 2名
最高速度 175km / h(オプションタイヤ6.45H14-4PRの場合205 km / h)
登坂能力 sinθ0.571
最小回転半径 4.9m
エンジン型式 U20型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1982cc
ボア×ストローク 87.2×83.0mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 145ps / 6000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 4800rpm
変速比1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速 0.852 / 後退 2.922
最終減速 比3.889
燃料タンク容量 43L
ステアリング形式 カム&レバー
サスペンション 前/後 ウイッシュボーンボール・コイル / リジッド・リーフ
ブレーキ 前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも 5.60S14-4PR(オプション前後とも6.45H14-4PR)
発売当時価格 91万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年10月号 vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 日産 ダットサン フェアレディ 2000(全4記事)

関連記事: Tales of the Fairlady

関連記事: フェアレディ


【1】【2】から続く

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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