43万円で購入し45年間所有|1969年式 日産 ダットサン フェアレディ 2000

R型エンジンのボアをそのままにストロークアップし、ヘッドをSOHC化したU20型エンジン。ソレックスキャブに換装し、最高出力145ps、最大トルク18.0kg-mという大幅な性能アップを実現。燃料ポンプは機械式から電磁式に交換して移設。

       
フェアレディという車名は、日産のスポーツカーの名前として、今なお、さん然と輝いている。そのルーツは、1959年6月に登場したダットサン・スポーツ(S211)にさかのぼる。翌60年1月にエンジン排気量を1Lから1.2Lにアップ。ダットサン・フェアレデーの車名が与えられ、輸出専用モデル(SPL212)として生産が続けられた。その後のSP/SR、S30フェアレディZと、国産スポーツカーの雄として、多くのファンを魅了したクルマであることは、皆がよく知っている。そんなフェアレディ各モデルを、個体それぞれが持つ「物語」と一緒に、振り返っていこう。

【1969年式 日産 ダットサン フェアレディ 2000 Vol.2】

【1】から続く

 1967年3月にSR311が登場。エンジンはSOHCを採用したU20型エンジンへと変更され、R型と同じ87.2mmのボアに83.0mmのストロークを組み合わせている。排気量1982ccの4気筒エンジンは、ソレックス44PHHキャブを2連装、9.5の圧縮比で145㎰/6000rpmの最高出力と18.0kg-m/4800r p mの最大トルクを発生させることができた。ミッションはポルシェシンクロを踏襲しているが、5速マニュアルとなっており、最高速度は205km/ hを誇っている。パワーアップとともにサスペンションやブレーキも強化され、市販レーシングカーとして人気となった。

 オーナーのオーナーが所有しているのは1969年式のSR311。1971年に日産プリンスの中古車部門で43万円で購入し、45年間所有している。

▶▶▶【画像18枚】左はOIL、TEMP、FUEL、AMPのコンビネーション、中央はタコメーター、右は240km/hスケールのスピードメーター。走行距離は2周して22万70000kmのオドメーターなど



クランクケースにU20と刻まれる。






フロントウインドーは1967年11月にアメリカの自動車安全基準を満たすため50mm高くなった。


1969年式 日産 ダットサン フェアレディ 2000(SR311)
Specification 諸元
全長 3910mm(オーバーライダー付き3955mm)
全幅 1495mm
全高 1325mm
ホイールベース 2280mm
トレッド前/後 1275 / 1200mm
最低地上高 140mm
室内長 770mm
室内幅 1275mm
室内高 1020mm
車両重量 930kg
乗車定員 2名
最高速度 175km / h(オプションタイヤ6.45H14-4PRの場合205 km / h)
登坂能力 sinθ0.571
最小回転半径 4.9m
エンジン型式 U20型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1982cc
ボア×ストローク 87.2×83.0mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 145ps / 6000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 4800rpm
変速比1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速 0.852 / 後退 2.922
最終減速 比3.889
燃料タンク容量 43L
ステアリング形式 カム&レバー
サスペンション 前/後 ウイッシュボーンボール・コイル / リジッド・リーフ
ブレーキ 前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも 5.60S14-4PR(オプション前後とも6.45H14-4PR)
発売当時価格 91万円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年10月号 vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 日産 ダットサン フェアレディ 2000(全4記事)

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【1】から続く

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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