初代スカイラインの2型が丸テールとなった理由|1960年式 & 1961年式 プリンス ニュースカイライン デラックス Vol.2

初代スカイラインの初期モデル(1型)は丸形2灯ヘッドライトだったが、マイナーチェンジ後の2型では、より押し出しの強い丸形4灯のフロントフェイスが採用された。

       
【1960年式 & 1961年式 プリンス ニュースカイライン デラックス Vol.2】

【1】から続く

 ALSIの初期モデルは丸形2灯ヘッドライトのフロントフェイスであり、小さなテールフィンを持つエクステリアデザインは、当時のアメリカ車の影響を感じさせる。それがさらに強調されたのがマイナー後の2型で、ヘッドライトは丸形4灯に変更。テールフィンはより深く長い造形となリ、小ぶりなアメリカ車然とした外観となる。そして後のスカイラインのデザインにも影響を与えた「丸いテールランプ」も採用されていたのだ。

 1.5LエンジンでスタートしたALSIは、61年5月のマイナーチェンジ時に1.9LのGB4型エンジン搭載車が登場。型式もBLSIへと変更され、3型を名乗るようになる。さらに62年10月のマイナーチェンジでは、フロントフェイスを大がかりに改良。幅広のグリルの中に丸形4灯ヘッドライトが収められるデザインとなり、表情が一変した。この時、型式表記が整理されてS21となった。

先進のメカニズムを盛り込んだALSI

 初代スカイラインALSIの先代と位置づけられるのは、1952年2月に「たま電気自動車」が完成させたプリンス・セダンだ。その設計や機構を基礎にして、乗用車として当時の先進メカニズムを盛り込んで誕生させたのがALSIだった。サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアは3枚リーフスプリングがド・ディオンアクスル(レースカーや高級車のメカ)を支える構造だった。スカイラインは初代モデルから、常に時代をリードするクルマだったのだ。


マイナーチェンジ後の2型の押し出しの強い丸形4灯のフロントフェイスなど【写真35枚】





フロントグリルにはブロック体のPRINCEのバッジ。





独特の筆記体で書かれた車名とグレードのエンブレムは、リアフェンダー後端に付く。





トランクリッドにある、やはり筆記体のPrinceのエンブレム。取っ手などの細かな部分にまで、デザイナーのアイデアが込められていたことが想像できる。


【3】【4】に続く



1960年式 & 1961年式 プリンス ニュースカイライン デラックス(ALSID-2)
SPECIFICATON
全長 4380mm
全幅 1675mm
全高 1535mm
ホイールベース 2535mm
トレッド前/後 1348/1384mm
最低地上高 210mm
車両重量 1315kg
乗車定員 6名
最高速度 130km/h
登坂能力 sinθ35%
最小回転半径 5.4m
エンジン型式 GA4型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
ボア×ストローク 75×84mm
総排気量 1484cc
圧縮比 8.3:1
最高出力 70ps/4800rpm
最大トルク 11.5kg-m/3600rpm
変速機 選択摺動及びシンクロメッシュ式前進4段・後退1段
変速比1速 4.18/2速2.87/3速1.59/4速1.00/後退5.50
最終減速比 4.625
燃料タンク容量 40L
ステアリング形式 ウォーム&ローラー式
サスペンション 前/後独立懸架コイルスプリング/半楕円形リーフスプリング
ブレーキ 前後ともドラム
タイヤ 前後とも 7.00-14-4P
発売当時価格 108万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 02月 Vol.167 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1960年式 & 1961年式 プリンス ニュースカイライン デラックス(全4記事)

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photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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