510ブルSSS【3】普段の足に使って居たら錆びてきた……!? それを期にキレイにレストア|1970年式 日産 ブルーバード 1600 SSS クーペ

クーペは専用のリアコンビネーションランプとガーニッシュを持つ

       
【2】から続く
【1970年式 日産 ブルーバード 1600 SSS クーペ Vol.3】

出張先の郡山でふだんの足としてブルーバードをフルに活用しており、冬期の除雪剤がまかれた道もかまわず走っていたオーナー。その頃の酷使は後になって響いてきた。

「郡山から戻ってからも、屋根下保管でブルーバードは維持していました。ところがあるときクルマの下回りをのぞいてみると、サイドシルはサビでグサグサで、フロアにも穴が開いていました。もともと古かったところに除雪剤の影響も加わって、ボディの劣化が進んでしまいましたね」とオーナーは語る。

【画像20枚】ホイールはクロモドラ・マグネシウムの5.5J×14、タイヤはダンロップ・ディレッツァⅡを装着。このセットでクラシックカー・ジムカーナにも参戦している。

ボディを直そうと思い、その補修用材料を探していたところ、510ブルーバードのサイドシルパーツを販売するという板金塗装工場を発見。さっそく連絡してみた。

「当初はパーツを買って、自分で修理しようと思っていたのですが、先方の工場が510のレストアの経験があるということで、とんとん拍子に話がまとまり、ボディ全体のレストアをすべて任せることになりました」

こうして神奈川県横須賀市に工場を構える「よしよし自動車」に作業を依頼。2011年12月下旬にクルマを持ち込み、約1年後に完成した。オリジナル色と同じサファリブラウンに塗られたボディはピカピカに光り、各パネルもゆがみのないシャープな面に生まれ変わった。

「入手した当時は車齢10年を超えたクルマなど、本当にポンコツの部類でしたが、こうして30年後に雑誌の取材を受けるとは思ってもいませんでした」

 ここまで愛情をかけてもらったブルーバードこそ、一番喜んでいるはずだ。


フロントバンパーには本来オーバーライダーが装着されるが、オーナーの意向で現在外してある。


クーペは専用のリアコンビネーションランプとガーニッシュを持つ。


運転席はオーナーの好みでレカロ製シートに交換。


クーペはセダンに比べ、全高が15mm低く設定されるにとどまっており、後席の空間も大人3人が座れる程度には確保されている。


左右のフェンダーに付くサイドマーカーは上下対称の砲弾形を装着。初期型は刀形で、マーカー上部が一直線になっている。

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主要諸元 SPECIFICATIONS
1970年式 日産 ブルーバード SSS クーペ(KP510)

●全長4120mm
●全幅1560mm
●全高1395mm
●ホイールベース2420mm
●トレッド前/後1270/1280mm
●最低地上高210mm
●室内長1635mm
●室内幅1270mm
●室内高1115mm
●車両重量935kg
●乗車定員5名
●最高速度165km/h
●登坂能力sinθ0.479
●最小回転半径4.8m
●エンジン型式L16型
●エンジン種類水冷直列4気筒SOHC
●総排気量1595cc
●ボア×ストローク83×73.7mm
●圧縮比9.5:1
●最高出力100ps/6000rpm
●最大トルク13.5kg-m/4000rpm
●燃料供給装置SU型ツインキャブレター
●変速比1速3.657/2速2.177/3速1.419/4速1.000/後退3.638
●最終減速比3.900
●燃料タンク容量46L
●ステアリング形式リサーキュレーティングボール式
●サスペンション前/後独立懸架ストラット式/独立懸架セミトレーリング式
●ブレーキ前/後ディスク式/リーディングトレーリング式
●タイヤ前後とも5.60-13 4PR
●発売当時価格76.3万円

【1】【2】から続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2013年8月号 Vol.158(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
1970年式 日産 ブルーバード SSS クーペ(全3記事)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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