【3】から続く2000年に入ると、さまざまな技術革新に挑戦してきたマツダらしさが、次から次へと表に現れるようになってきた。そして、ブランドコンセプト「Zoom-Zoom」を掲げ、「心ときめくドライビング体験を提供する商品造りを目指す」ブランドへと突き進むのであった。これは現在も続いている、マツダのアイデンティティでもある。
そして、2010年に発表された「SKYACTIVE」はマツダの新世代を築く技術革新となった。エンジン、ミッション、ボディ、シャシー、すべてを一から見直すことで、まったく新しいクルマを造ろうとしていた。
これまでの慣習を捨て、ユーザーの立場でクルマを造る。大きな企業となったマツダにとっては、並大抵のことではなかったが、心ときめくドライビング体験を提供するためにも、必要な変化であったことは言うまでもない。
「SKYACTIVE」はクルマのトータル的な変革であって、2010年を境に、マツダブランドが大きく変化したことを感じたユーザーは多かったはずだ。燃費は向上し、デザインにも統一感を感じる。そのエクステリアデザインを見れば、直感的にマツダであることが分かる、ブランドイメージを確立したといってもいいだろう。
【画像10枚】AZ-1、RX-8など、平成以降もマツダらしい個性的なクルマたちが登場くしくも、ハイブリッド車の発電用ユニットとしてマツダを代表するロータリーエンジンの製造が再開され、脈々とその技術は進歩している。さらに、「サスティナブルZoom‐Zoom宣言2030」を発表し、長期的な技術開発の道筋も示された。
100年という節目を超えたマツダだが、これまで同様、新たな驚きと、新たな体験は、まだまだ続きそうだ。
1992年 AZ-1発売
軽自動車のガルウイングという強烈なキャラクターで登場。アルトワークスのターボエンジンをミッドシップ搭載。軽量ボディで爆発的なスポーティ走行を実現。
1996年 デミオ発売
ミニバンに匹敵する荷室の広さと、機械式駐車場にも入るコンパクトなボディを実現。デミオはその後モデルチェンジを繰り返し、MAZDA2へと進化した。
2002年 アテンザ発売
5ドアスポーツカーというキャッチでデビュー。ヨーロッパでも展開され、各国で高い評価を得た。コンセプトの「Zoom-Zoom」を具現化したクルマだった。
2003年 RX-8発売
現時点では最後のロータリーエンジン搭載のスポーツカーとなったRX-7の後継モデル。ボディは大型化され、特徴的な観音開きのリアドアを装備していた。
全ての画像を見る【1】【2】【3】から続くマツダの100年史(全4記事)初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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