【1】から続くマツダの歴史の中でも重要なターニングポイントのひとつが、ロータリーエンジンの開発だ。
実用化は不可能とされていたロータリーエンジンを四輪の市販車両に搭載できたことは、当時としては大きなニュースとなったが、その発表まで、技術者にとって長い道のりがあった。
1960年、ロータリーエンジンの原型を作ったドイツのNSU社と技術提携を始めたが、その開示されたロータリーエンジンは、市販できるレベルに達していなかった。そこで、技術者は使えるエンジンへの改良を進める。特にエンジン内部に残るチャターマーク(右写真)は最後まで技術者を悩ませたという。さまざまな素材、形状でテストを繰り返した結果、ようやくロータリーエンジンが完成する。
走行テストを繰り返し、1967年にはロータリーエンジン搭載のマツダコスモスポーツを発売し、世界を驚かせた。
デビュー3年前から、ロータリーエンジンを発表していたので、連続するニューモデルの開発と、まったく新しいエンジンの開発が同時進行で行われていたことに驚かされる。
【画像10枚】世界初のロータリーエンジンを実用化したマツダは、コスモスポーツ、サバンナなどロータリーエンジン搭載車を送り出す【3】へ続く 1967年 コスモスポーツ発売
マツダのロータリーエンジンと肩を並べて、その代表的なモデルとして知られるコスモスポーツ。斬新なデザインは低重心を追求して生まれたスタイル。素晴らしいスポーツ性能と高級感あふれるインテリアで、当時の国内のクルマにはなかった別格の車格を誇示していた。その特徴あるデザインと走行性能により、今なお人気のクルマだ。
1969年 ポーターキャブ発売
つぶらな瞳のようなヘッドライトが特徴的。マツダとしては珍しく、2サイクルエンジンを搭載していた。商用車ではあるがこだわりの意匠を感じる。
1970年 カペラ発売
ファミリアの上位機種として新たなセグメントを産んだモデル。ロータリーエンジンとレシプロエンジン搭載の2種類がラインアップされ、スポーティーな味付けであった。ロータリーエンジン搭載モデルは最高速度190㎞/hに達し、爆発的なパワーを誇った。
全ての画像を見る【3】へ続く マツダの100年史(全4記事)初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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