【2】から続く【サーキットの狼世代へ ヤタベRS(レーシングスペシャル) vol.3】
漫画の中で、ボディはFRP製と記述されているが、この実車はFRPで作ったオス型の上にアルミ板をあて、それをたたいてアルミボディにする気の遠くなるような作業によって製作された。また、公道で走ることも視野に入れていたため、ナンバー取得できるように、フロントガラスはアクリルではなくガラスで製作されている。
ボディの下はパイプフレームで固められ、漫画と同じくフェラーリのV型8気筒エンジンが鎮座するが、308GTBのフルチューンではなく、フェラーリ・モンディアルの3.2LのV型8気筒エンジンが搭載されている。
富士スピードウェイでのテストを2度行い、サスペンションのセッティングテストなどを実施。もちろん、フレッシュマンレースにも出場するほどの腕を持つ池沢早人師さんも実際にテストランし、車両の欠点を指摘し、改善させている。
漫画の世界を忠実に再現しながらもサーキット走行が可能なヤタベRS。子供たちが夢にみた風吹裕矢のコーナリングマシンが、そこに存在している。
【画像16枚】漫画の世界を忠実に再現しながらもサーキット走行が可能なヤタベRS。公道で走ることも想定されて製作された>>ボディ同様にアルミで作られた左右のドアはガルウイングタイプ。見た目以上に軽々と持ち上がる。わずかに開けることのできるスライドウインドーはアクリル製。
>>オートメーターの計器類が並ぶインストルメントパネル。不必要なものが一切ないレースカー仕様。
>>左センターコンソールもレーシングカーとしての必要最低限のものしか装備されていない。スイッチ類の下は空調の吹き出し口。右上の赤黒のレバーがサイドブレーキ。フェラーリらしいゲートむき出しのシフトバーが存在感を示す。
ヤタベRS(レーシングスペシャル)ホイールベース2355mm
エンジン水冷V型8気筒DOHC4バルブ
総排気量3185cc
最高出力270hp/7000rpm
最大トルク31kg-m.5500rpm
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。
初出:ノスタルジックヒーロー 2018年 12月号 Vol.190
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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