プロになった風吹裕矢の相棒【1】大改造しシルエットフォーミュラ参戦へ|1974年式 ランチア ストラトス HF ストラダーレ|サーキットの狼世代へ

レースの支援者谷田部が、暴走族を取りおさえるために、風吹に与えたクルマがこのランチア・ストラトスだ

       
誰しもが通ったであろう「サーキットの狼」という漫画。この作品が登場するまで実在するクルマを描き切った作品がなかったことに加え、漫画に登場するスーパーカー群を乗り継いできた作者によるリアルなエピソード。そして、1人の暴走族がF1レーサーへと成長する過程を丁寧に描いたストーリーに酔いしれた。そんなサーキットの狼世代に向け、往年の名車とともにじっくりと堪能できるシリーズをおおくりする。

プロになった風吹の相棒
シルエットフォーミュラに挑む


【 1974年式 ランチア ストラトス HF ストラダーレ Vol.1】

サーキットの狼 Story

 レースの支援者谷田部が、暴走族を取りおさえるために、風吹裕矢に与えたクルマがこのランチア・ストラトスであった。見事、事を収めると、次に挑戦したのが、シルエットフォーミュラ参戦。クルマを大改造して挑んだレースであったが、ゴール手前でクラッシュ。実際のドライビングの難しさを劇中でも再現。自動車漫画では追求していなかったリアリティーが読者をさらに引き込み、実車であるスーパーカーブームを引き起こした。


>>【画像24枚】ボディに記された「STRATO’S」の表記には「’」が入っているロゴデザインなど


 ランチア・ストラトスを語るうえで欠かせないのが、ディーノ308GT4などを手がけた名門カロッツェリア、ベルトーネの存在だ。歴史をさかのぼると1970年のトリノショーでベルトーネは「ストラトス・ゼロ」を発表。「ストラトス=成層圏」の名が披露され、後に数奇な運命を歩んだストラトスのストーリーはここから始まった。




>> 非常に低い姿勢を保つフロントビュー。オーバーフェンダーがさらにデザインのアクセントに。




>> 非常に短いホイールベースの2180mmという長さは、現行の平均的な軽自動車よりも300mm以上短いことになる。それでいて、ハイパワーエンジンを搭載しているので、レースのドライビングには相当気を使うクルマであった。




>> ややヒップポイントの上がった印象のリアビュー。マフラーは2本出しを採用している。


1974年式 ランチア ストラトス HF ストラダーレ

SPECIFICATION 諸元
全長×車幅×全高●3710×1750×1114mm
ホイールベース●2180mm
トレッド 前/後●1430mm/1460mm
車両重量●980kg
エンジン●水冷65度V型6気筒DOHC 横置きミッドシップ
総排気量●2418cc
最高出力●190ps/7000rpm
最大トルク●23.0kg-m/4000rpm
生産年●1974~191975年
生産台数●492台
生産国●イタリア
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 ランチア ストラトス HF ストラダーレ(全4記事)

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©︎池沢早人師/animedia.com text:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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