「釣りバカ日誌」と聞けば、ハマちゃんスーさんのコミカルな掛け合いでおなじみの国民的映画を思い起こす方が多いだろう。その原作漫画の作画で活躍している北見けんいちさんは大のクルマ好き。最近手に入れたばかりというホンダZを前に、過去のクルマへの思いを語ってもらった。
【ホンダ Z GSS|旧車生活へのいざない】
【3】から続く 「奄美の与論島にも家があるんだけど、そっちもクルマばっかりだよ。ワーゲンのタイプⅡバスで前が開くやつとか、モーリスマイナートラベラーとか、この時代のバモスホンダってのも。あとはシトロエンの2CVね。これはガレージに置きっぱなしだけど、そんなのばっかり。最近のクルマには興味がわかないんだよ。」という北見さん。
▶▶▶【画像22枚】GSSのが刻まれたリアエンブレム。GSSの他に、ホンダZにはSS、GT、GLがあった 「クルマが良くなりすぎて、今はボンネット開けないもんな。ダットサンも点火時期とか自分でやってたんだよ。タイヤももちろん自分で替えてたり、空気圧見たり。走る前にいろいろ点検事項があるんだよ。ラジエーターに水入ってるかとか、タイヤ大丈夫かとか、本格的にイジれるわけじゃないけど、そういうのが好きなんだ。壊れるのが当たり前なんだよ昔の物って。壊れて、それを直して覚えるみたいなね。俺たちの世代はたぶんみんな一緒だよ。
デザインもまだコンピューターとか入り込んでいない手作業の時代は、クルマの形をクレイ粘土で作ってさ。会社の偉い人からこうしたらいいんじゃないって言われて、その時は言われた通りに直すんだけど、その人が帰ったら自分のデザインに戻すみたいな話があるよね。そういうのがデザイナー魂っていうのかな。Zなんかこんなにボンネットを長くとっちゃったら後ろは絶対詰まるもんな。でもこれが格好いいんだって、作り手の意地みたいのが見えてくるんだよ」
【5】へ続く初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 Vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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