【ボディが浮遊するエスティマ!!】腹下のエアジャッキでピット作業がスムーズに! 3ナンバーエスティマのボディに 5ナンバー・ルシ/エミのアシをドッキングし、極限のローフォルムを実現!!

エアジャッキでボディが浮遊する奇想天外トリックを仕込んだエスティマ(TCR)

       
轟沈スタンスのまま"ボディ浮遊"!! 「見せる」「調整する」「脱出する」を可能にする秘密兵器"内蔵エアジャッキ"

【画像13枚】リアバンパー裏に隠された奇想天外トリックの起動装置、ピット作業を楽チン化するエアジャッキ、3ナンバーエスティマのボディに5ナンバー・ルシーダ/エミーナのアシをドッキングした足回りなど、チョー気になるカスタマイズの内容はココから!!

VIPミニバンで一時代を築いたTCRエスティマ。
ナマ足ドシャコにディープリム、とどめにD.A.Dバンパーとくれば「ナツカシ~」の声が飛んできそうな往年の王道スタイルを突き進むのがこのエスティマだ。

実際、「ボクもこれぐらい落としてました〜」なんて声を何度も掛けられたそうだけど、いやいやこの低さ、並のレベルじゃござーせん。
本気でTCRに取り組んだ人間なら目を疑う超低空っぷりは、打倒RBオデッセイを掲げて到達した人類未踏(あくまでTCRの世界でね)の域。

ノーマルフェンダーで極深リムを履きこなし、キャンバー効かせた激低スタンスをキメるために注いだボディ下のカスタムと、あまりの低さゆえに必要となった腹下トリックは、目の肥えたオーディエンスを釘付けにする。

ナマ足、激低、鬼キャンバーと、走りの支障となるトリプルコンボをキメたエスティマの悩みは、PAやSAのたびに止まってジャッキアップし、タイヤチェックが欠かせないことだった。
しかも、ジャッキアップのたびにバンパーまで外していたそうで、そこまで気を使っていても1イベント1バーストするぐらいナーバスな足回り環境だったとか。

にもかかわらず、さらなる低さと深さを求めてボディ加工に突入し、リアフロアをぶった斬り、兄弟車で片側50mmナローな足回りを持つ5ナンバー・ルシーダ/エミーナのリア回りをフロアごと移植する大技を投入。
同時にフロアを10cm持ち上げることで、限界突破の低さとともにロワアームのバンザイ状態まで解消したというからタダゴトではない。

結果的にサスペンションのストローク量が増え、以前に比べればカメになる頻度は減ったそうだが、度を超した低さはさらに加速したわけで、「もっと快適に」の想いから腹下トリック投入に至る。

ナマ足のまま、限界を超えた低さでイベントに行きたい。そんな当たり前な願いへの回答こそが、このエアジャッキ化だ。
レースマシン御用達のシステムをボディ四隅に組み込み、リアバンパー奥のバルブにエアを注入すると“バシュッ!”と車体全部が持ち上がるスグレモノ。

PAでのタイヤチェックがチョー楽ちんになったのはもちろん、カメになったときやクリア不可能な段差もクルマごとリフトして板をかませば難なく踏破可能となり、サクッとジャッキアップして段差をクリアし、大喝采を浴びるというからトリック的にも大成功! 

しかも、大技を投入した自慢の下回り(パウダーコート済み!)もボディ浮遊のおかげで、ギャラリーに楽々お披露目もできると、イイこと尽くめ!

カスタムのアプローチ、アイデア、トリックすべてが斬新かつ革新的。
まぁこれを見れば「ボクのTCRも同じくらい低かった」なんて、軽々しく言われることはなくなるハズです(笑)。







>>リアバンパーの開口部からチラッとのぞく謎の突起物を発見! 身をかがめてよく見ると、エアバルブのようなものが。実はこの地味なバルブこそ、腹下に設置された奇想天外トリックの起動装置なのだ。なお、路面の段差干渉を考慮して、マフラーはセンター出しにしている。




>>腹下四隅に仕込んだエアジャッキによって、バック・トゥ・ザ・フューチャーのホバーボードみたいに浮遊する超絶トリック! 日常的に行うタイヤチェックも簡単になり、ヤバい段差があっても楽々クリアが可能となった。あくまでナマ足の轟沈スタイルにこだわるために編み出した奇想天外すぎるアイデアだ。




>>18インチの5.5インチアウターリップをストックフェンダーで呑み込む轟沈スタンス。フロア上げによってロワアームの角度も補正でき、ショックのストローク量が増したことで“亀”状態になることは減ったが、リアのキャンバー角は補正後でも20度の極キャンバー仕様ゆえ、PAごとのチェックは不可欠。そこで編み出したのがエアジャッキ投入だった。低くなりすぎたために、フロントのD.A.Dバンパーは純正よりも薄く、高さを6cm、前方向も5cm縮めてフレームをカットして装着。サイド&リアも同様に薄くスライスしている。


>>同時にガソリンタンクも室内に移設し安全性をアップ。タンク回りの黒い部分が10cmかさ上げされたフロアで、タイヤハウスも同様にかさ上げしているのが分かる。


>>フェラーリレッドのボディにはF40も履くOZペガソが似合う、と稀少な18インチを5年がかりで世界中から収集(ディスクは完璧オーバーホール&リムはポリッシュ&鏡面仕上げ!)。前後6pot化したキャリパー&ベルハウジングをパウダーコートで「白色(!)」とするなど魅せることも徹底している。


>>ストックフェンダーでMAXアウターリップを履くため、インナーリムをナロー加工して9.75Jまで短縮。理論上のインセット値は OUT78というありえないサイズを実現している。




>>腹下の突起をトコトン排除するため、ATから、もっともケースが薄い2WD用のMTに変更。もともとは4WDであったため、FRに駆動方式も変更している。オイルパンの短縮加工といった対策はもちろん、最終的にはリアのフロアを10cm切り上げ、片側5cmナローとなるルシーダ/エミーナの足回りをフロアごと移植している。


>>ルシーダ/エミーナの足回りをフロアごと移植することで、より低く、深いホイールが履けるだけでなく、超バンザイ状態だったロワアームの角度も補正でき、メリットは多大だ!

【画像13枚】リアバンパー裏に隠された奇想天外トリックの起動装置、ピット作業を楽チン化するエアジャッキ、3ナンバーエスティマのボディに5ナンバー・ルシーダ/エミーナのアシをドッキングした足回りなど、チョー気になるカスタマイズの内容はココから!!


『カスタムCAR』2016年2月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:エスティマ(TCR)/1992年型
SOURCE:ソーダファクトリー

PHOTO & TEXT/浦野浩之

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