【カスタムバニング草創期へタイムスリップ!!】オールドバニングの代表的ベース車、キャラバン・コーチ(E22)を当時パーツを随所に投入して昭和臭プンプンに♪

当時物のカスタムパーツが満載のキャラバン・コーチ(E22)

       
当時カスタムパーツのアクセントで
レストアボディの色気冴える希少E22コーチ

【画像9枚】後期の証となる角メーターのインパネ、そこかしこにてんこ盛りな希少な当時モノパーツなど、バニングマニア垂涎なキャラバン・コーチ(E22)の詳細はココからチェック☆

ハイエースと双璧をなすキャラバンの歴史は、本誌「カスタムCAR」の歴史と実は密接に関係しているのをご存じだろうか。
US西海岸ブームの一環として、カスタムVANカルチャーの影響を受けた1BOXベースの国産バニングが、日本のカスタムカー創世記を切り開いたのが本誌創刊と同時期の’70年代後半。
その当時、最旬のベース車だったのが、実は初代キャラバン(E20)と姉妹車ホーミーだった。
’60年代生まれの初代ハイエースより真新しいうえ、アメリカナイズドな改造を柔軟に受け止める垢抜けたスタイリングが人気の理由で、現に創刊間もない頃の本誌や前身の芸文ムック“改造車実例集”のグラビアを飾る有名車やデモカーはE20ベースが多い。
また、当時のカー用品メーカーから、専用パーツが数々発売されていたことも、初代キャラバンがカジュアルでナウい箱車としてイチ早く受け入れられた事実を裏打ちしている。

そんなバニング草創期のエッセンスを取り入れた時代考証カンペキな当時物コーデが光るのが、この’79年型コーチのスーパーデラックス。
初代キャラバンのレア個体を昭和臭プンプンのオールドバニングに仕立てている。

ベースは排ガス規制対策で2000ccエンジンがNAPS-ZのZ20S型に変更された後期最終のE22型で、まばゆいイエローボディは新車時の純正色に忠実なオールペンと、新品パーツ投入でリフレッシュ。

バイザーからミラー、リアバンパーの垂れゴムまで、社外品はデッドストックを集め抜いた当時物で、初代キャラバン(E20)バニングの定番だったエンケイディッシュのホイールも、自然体なムードアップに貢献している。

この車両は、初代キャラバンおたくの探究心と偏愛が実を結んだ一生モノの宝物なのである。



>>水色のストライプ入りのイエローボディは初代コーチの専用色で、地元岩手のボディショップ「S.A.JAPAN」でのボディレストア時に元色でリペイント。リアワイパーが標準で備わるのも’77年以降のコーチの特徴だ。車高はトーションバー調整とブロックでほんのりローダウンしている。


>>タイヤの真後ろの泥除けは、新車時装着と同じ日産純正オプション品。リアバンパーから垂れた横長のマッドフラップは“イノウエ・リア−ロングマット”の商品名を持つ社外アクセサリーパーツの初代キャラバン(E20)専用品だ。


>>初代キャラバン(E20)ならではの当時テイストを担う逸品が、オプションアクセサリーとして純正採用されていたというノムラ製の“イーグル・フロントバイザー”。両サイドに備わるキングエースミラーとの組み合わせは、草創期の国産カスタムVANの王道チョイスだ。


>>ホイールは“エンケイマグ・ディッシュ”の14インチで、ベースの年代に合わせた昭和50年代前半の当時物。ホワイトリボンタイヤはブリヂストンがかつて海外向けに販売していたSF375のP185/75 SR14を装着している。


>>’78年のマイチェンでゲージフェイスが扇形から角形に変更された後期型インパネ。ミッションは4速のコラムMTのみで、ステアリングには重ステを解消すべく世界皮革/橋本商事 ビクトリーの当時物カバーを装着。シフトノブは星光産業のレインボーに交換している。


>>乗車定員は9名で、2nd/3rdシートはヘッドレストなしが標準。座面と背もたれの内側がモケットで外側がビニールレザーのコンビ生地となるのが初代コーチの特徴だ。内張りやカーペットも含め、新車時からのグッドコンディションを維持している。


>>吊り下げ式の後付けクーラー(エアコンではない)をリアにも完備した、新車当時の豪華オプション仕様が自慢。


>>キャンピングカー登録の8ナンバー車のため、コンロやミニシンクなどの設備も整えており、ウッドの手作りで当時っぽく演出済みである。


>>カスタムバニング草創期からタイムスリップしてきたような初代キャラバン(E20)仕立ての艶姿はさすがのひと言。希少な当時モノパーツがそこかしこにてんこ盛りなのだ♪


『カスタムCAR』2021年12月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:キャラバン・コーチ(E22)/1979年型
SOURCE:バラクーダ

PHOTO/カジワラサトシ TEXT/コンヒデキ

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