【ワンオフワイドボディで理想を実現!】思い出のGTOを現代流にリバイブ!!

当時は非現実的で憧れだったガルウイングはマストで導入を依頼したメニューのひとつ。今回は汎用キットを切った張ったでワンオフしてガルウイング化に成功。とにかく当時のドアはデカくて重いため、高いガス圧のダンパーは必須とのこと。

       
原型が残っているのはガラス面とレンズのみという熱量を注ぎ、GTOをフルカスタム。

聞けばこのGTOはオーナーの記念すべきマイカー第1号であり、生活費を切り詰めながらカスタム&チューニングをエンジョイしまくった想い出の1台。

そんなGTOの復活を目論むが、長年の放置によりクルマはズタボロ。そこで、レストアを含めた壮大なカスタムを敢行。単純なレストアでは満足せず、現行モデルと遜色ないスタイリングをテーマに掲げた。

具体的には、21インチ化をリクエストし、イマドキなコンケーブを履きたいとジーストをオーダーしたというから豪快だ。とはいえ、18インチで大口径といわれた時代に生産されたGTOに21インチが入るわけもなく、アーチ上げ&インナーハウス拡大をしたものの、車高調全上げでようやくステアリングが切れる状態で、気付けばシャコタンどころかSUV並に車高が上がっていた。

車高激上がり&タイヤ飛び出しのヤバいスタイリングをシャコタン風に見せるため、“さり気なく”ボディを拡大する作戦に。例えば、カチ上がった車高を隠すためサイドステップは下方向に大幅延長しているが、ステップを途中まで傾斜させてなじませたり、マイナスインセットのリムにさらにスペーサーをカマしてワイド化するなど、前後左右+高さのバランスを再調整。

結果として、現代的なファットボディを纏ったシャコタン(風)GTOとして、見事な復活を果たしたのだ。

【画像7点>>現代風にリバイブしたGTOのディテールをCHECK!!】


>>チューニングしていたエンジンは不動状態が長かったために諦め、新たなエンジンに換装済み。同時に6MTやタービンも交換し、インタークーラーも追加するなどサーキット走行も可能な状態にまで復活させた。



>>内装はレザーとアルカンターラ生地に加え、シート背面にジャージ素材を使うなど、すべてを赤で張り替えた。



>>シートも当時装着していたレカロSR-ZEROがベースだったり、オーナーの思い入れがたっぷり詰まっている。



>>リアはディフューザースタイルを採用し、下側に向けてサイズを大幅に延長。サイドも同様にボトム方向に延ばしているが、上面を斜めにすことで薄く見えるように設計するなど涙ぐましい努力の跡も。



>>当時は非現実的で憧れだったガルウイングはマストで導入を依頼したメニューのひとつ。今回は汎用キットを切った張ったでワンオフしてガルウイング化に成功。とにかく当時のドアはデカくて重いため、高いガス圧のダンパーは必須とのこと。



>>エアロはすべて原型なしのワンオフモノを装着する完成されたフォルム。SUV級の車高を感じさせないスタイリングだ。



>>現代版GTOには大口径ホイールが不可欠と考え、実現性無視の21"を選択。だが、アーチ上げやインナーハウス拡大で装着したものの超腰高となったため、エアロをさりげなくボトム方向に伸ばすことで一体感を生み出した。


『カスタムCAR』2018年1月号掲載
BASE CAR:GTO 1993年型

PHOTO&TEXT/浦野浩之

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