【現代版JTCC!?】25年前の初代P10プリメーラでオレ流再現!

ダクトとボンピンがいかにもレーシーなFRPボンネットは、ファーストモールディング製の現行販売品。バンパーとグリルはUSインフィニティG20用、ライトはガラスレンズが特徴のEUR純正品。

       
今では地味センなネオクラシックカーだが、’90年代はヨーロピアンドレスアップがキマる国産セダンとして若者人気を博した初代P10プリメーラ。

そんな20数年前をリアルタイムで味わった世代にとって忘れがたきプリメーラといえば、国内外のコンパクトセダンがサーキットでガチンコバトルを繰り広げたJTCC(全日本ツーリングカー選手権)での勇姿が思い浮かぶハズだ。

ホイールのリムをフェンダーに被せたJTCCレースカーの台形のようなフォルムは、まさしく走りのシャコタンの至極形。だが、ダウンサスが関の山だった当時のローダウンでソレを再現するのは不可能同然で、かつて目にできたのはカラーリングのみをマネた、いわゆる“ちっくチューン”のレプリカ仕様ばかりだった。

その“ちっくチューン”とは真逆のアプローチのもと、時空を超えた正統派のJTCCルックと呼ぶにふさわしきP10プリメーラが北の大地から東京に見参!! 当時を知らない若者の手によるコイツのキメ手は、アッパーマウント加工とフルタップ車高調による足回りメイク。往年のJTCCレーサー流のツラウチシャコタンを現代感覚で見事インスパイアした攻撃的なロースタンスが◎。

当時モノのインパル・シルエットC1を履く足元もハの字切りが目を惹くうえ、フロア剝き出しで2シーター化&11点式ロールケージ装着の内装もカッコのみにとどまらないスパルタンムードびんびんだ。

そして、バージョンアップの見せ場が、仲間の協力を経て行った3代目プリメーラのNEO-VVL版SR20VEエンジンのスワップ!! サーキットユースで煮詰めたルックスと性能の両立のもと、オレ流スタンスにコダワったオーナーの一途なプリメーラ愛にリスペクト☆

【画像7点>>初代P10プリメーラのディテールをCHECK!!】


>>リアシートや内張りも完全に取っ払ったスパルタンな室内には、オクヤマの11点式ロールケージを装着。ホームグラウンドである、北海道・十勝サーキットをガチで攻めている、走りのネオクラスタンスゆえの必需品だ。



>>ブリッドのフルバケを備えたコクピットは、ノーマルの面影を残すのはダッシュボードのみ。スピードメーターはレアなニスモ製に交換済みで、シフトレバーはSICKSPEEDのエクステンションでTOMEIのシフトノブをセット。



>>ボディはオリジナル調合の“tsumple®ホワイト”(自称)で、フロアまでキッチリ全塗装。ステッカー皆無の白ボディで、レース参戦前のテストカーを意識。



>>リアビューは、欧州純正テールとUSリアバンパーでストリートユースの色気をプラスしている。



>>見事なまでのタック&シェイブドのエンジンベイに収めた心臓は、3代目P12プリメーラから移植したSR20VE。可変バルタイ&リフト機構で204psを発生するNEO-VVL仕様で、元のエンジンも同系のSR20のため公認取得も不要ってワケ。なおミッションはN15パルサー用の5速MTでツジツマを合わせている。



>>ダクトとボンピンがいかにもレーシーなFRPボンネットは、ファーストモールディング製の現行販売品。バンパーとグリルはUSインフィニティG20用、ライトはガラスレンズが特徴のEUR純正品となる。



>>“日本一速い男”こと伝説のレーサー、星野一義のブランド、インパルの絶版“シルエットC1”を足元に。叩き出しのフェンダーにエアロディッシュの16インチをキャンバー切りで被せた台形のようなフォルムは、’90年代のJTCCやBTCCのテストマシンを見事にオマージュする。


『カスタムCAR』2018年3月号掲載
BASE CAR:プリメーラ[P10] 1993年型

PHOTO/南井浩孝 TEXT/コンヒデキ

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