’70年代のエッセンスを惜しみなく注入したというキャブ周りは、「あえてサイズは小さく、作りもチープにした」シートキャリアをはじめ、ミミに昔ながらのプレスデザインを施した薄型バイザー、ハート型をあしらったハシゴなど、オーナーが厳選したパーツが目白押しだ。
また、フロントフェンダー上方の純正ゴムを取り外したり、乗降ステップのカバーを切ることでドア下周りをすっきりさせて昔風の腰高フォルムを演出したキャブボトムには、バスバンパーをコンビネーション。
コーポレートカラーであるワインレッドのキャブは、ドアのみを白で塗り分けることにより、ハイセンスなビジュアルをアピールすることに成功している。さらに「アートポイントとして絶対に外せなかった」メッキホイールキャップも、上質のレトロアートを好アピールしている。
なお、箱サイドに堂々と描いた“角文水急”の文字ペイントはもちろんのこと、フロントパネルを席巻する山型アンドンほか随所に組み合わせたアンドン類は、すべて押田運送御用達のすずき工芸で製作。
いわきの人気レジャースポットをモチーフにしたリア観音扉のペイントもユーモアあふれる仕上がりで、道行く人の視線をクギ付けにしている。現在はミラーステーの装着を検討中というから今後もいぶし銀のアートでファンを魅了してくれそうだ。
【写真7点】押田運送のエース車両、注目のディテール群。カミオン2008年4月号トップアートをもとに再構成