【僕らのVANLIFE】70’s感あふれる魅惑のフォルム、ウィネベーゴ!今日は家族みんなで山へ出発だ!

Base Car:1972年型 ウィネベーゴ・ブレイブ

       
荷物を積んで旅に出よう。いや、旅じゃなくていい。遊びに行くだけでいい。バンに限る必要もない。好きなクルマに乗って出かけよう。ハンドルを握って自由気ままに。自分なりの「バンライフ」を始めよう。

思いは20年前から。古いアメリカに心底憧れて


 フィールドで唯一無二の存在感を放つ、アメリカ製のヴィンテージ・モーターホーム。クラシカルで個性的なボディからサイドオーニングを広げ、その下にはヴィンテージキャンプギアをコーディネート。このクルマは正確にはVANではないけれど、海外ではモーターホームにもバンライフのハッシュタグが付けられていることが多い。「バンじゃなくたって、好きなクルマで自分らしく楽しめばいい!」。いつでも子供たちの笑い声があふれる、そんな新保ファミリー流の自由な「バンライフ」に密着した。



 ひと目見たら忘れられない個性的なデザインを持つこのクルマは、’72年型ウィネベーゴ・ブレイブ。ダッジ・M300をベースシャーシとしてコクピットから居住部分までのすべてを米国ウィネベーゴ社が製造したアメリカン・クラスAだ。オーナーの新保さんは、数々のアメ車を乗り継ぎ、’54年型シボレー・ベルエアを現在も所有する大のアメ車フリーク。キャンパーは、VWアーリーバス、アメリカン・クラスCを乗り継ぎ、このウィネベーゴで実に3台目となる。



「20年前、カーショー目当てでカリフォルニアに行った時、街中に逆スラントデザインのウィネベーゴが路駐されていて、ひと目でその存在感に圧倒されました。それからいろいろなクルマに乗りましたが、逆スラント顔のウィネベーゴがずっと頭から離れず、自分の中で“いつか乗りたいクルマ”だったんです」。

 新保さんが憧れ続けた逆スラントデザインは、’60年代後半~’70年代初頭に生産されたウィネベーゴ。希少車だけに「遠い先の夢」だと思っていたが、昨年たまたまネットで’72年型ウィネベーゴの中古車を発見し、その日のうちに購入! 各部を整備して、長年理想としてきた至福の「バンライフ」を送っているのだ。


クルマもギアも「自分流のスタイル」で楽しむ


 アメリカン・クラスAは全長が30フィート(10m弱)を超えるクルマがザラだが、新保さんのウィネベーゴは18フィートの希少なショートモデル。全長5.6m×全幅2.3mのボディは、日本の道路事情をギリギリクリアできるサイズといえるだろう。

 憧れのヴィンテージ・ウィネベーゴを手に入れた新保さんの休日は、小学生の息子と一緒にクルマをいじるか、家族でアウトドアに出かけるのが定番だ。荷物は常に積みっぱなし。思い立ったらすぐウィネベーゴに乗り込んで、川原や林道でデイキャンプをしたり、できるだけ広くて人の少ないキャンプ場でゆっくり過ごす。あるいは漁港にクルマを停めて釣りをしたり……。旅にもアウトドアにも、釣りにも、「形にとらわれず自由に楽しむ」のが新保さん流だ。



 アメリカンカルチャーに精通した新保さんのソト遊びは、クルマだけではなくギアにもコダワリが満載されている。コットなどのキャンプギアから、ストーブ、水筒などの小物類に至るまで、ほぼすべてをヴィンテージアイテムでコーディネート。愛車のウィネベーゴにも当時風のカスタムを施すなど、自由なスタイルで誰にも真似できない「自分流のバンライフ」を楽しんでいる。



「子供と過ごす時間が充実して、自分も喜びを感じられる。ずっと探し求めていた相棒に、ようやく巡り合えました。子供の成長と共に、末永く“ウィネベーゴのある生活”を楽しんでいきたいですね」。

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>>「ダッジ・Mシリーズ」は、1968〜79年に生産されていてモーターホーム用ベースシャーシ。このウィネベーゴは、ダッジM300をベースにボディのすべてを米国コーチビルダー・ウィネベーゴ社が製作したクラスAだ。エンジンは純正のV8 318からV8 360に換装されている。


初出:OUTDOOR あそびーくるBOOK 2019年 Vol.04

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

Base Car:1972年型 ウィネベーゴ・ブレイブ

文 / 岩田一成 写真 / 藤井元輔

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