【新たなクルマのカタチ、動く家】フツウの人生からあてのない冒険の旅路へ。とあるオーストラリアに住む夫婦の日常

       
@we_who_roamのアカウント名で、インスタを展開するのは、美しいオーストラリアの大地を旅するゲイリーとベックのカップル。赤い大きなスプリンターバンに乗り、自国オーストラリアで旅を続ける彼ら。自由を愛する彼ら2人の旅路に迫ってみよう。

フツウ過ぎる人生から旅を続ける暮らしに

「人生の中でも若くて健康な今こそ、旅をしながら世界を観たかった」と語るのは、オーストラリアンバンライファーのゲイリーとベック。メルセデス・ベンツ・スプリンター315CDI、愛称「ビッグレッド」とともに広大なオーストラリアの地を旅している。バンライフを始める前は、週末を楽しみに、9時から17時まで働く“フツウの人生”を歩んでいた2人。



「でもそれって自動操縦のような生き方で、人生を無駄にしている気がしたんだ」(ベック)

 何か違うことをやってみたい。そこで思い付いたのがバンライフだった。バンの中での生活が長くなることを考え、ビッグレッドのインテリアを改装。開放感たっぷりのレイアウトは二人の自信作だ。彼らの製作風景や旅の思い出はインスタでも発信している。

「私たちの経験をシェアすることで、それを見る人々が自分の殻を破って冒険の世界に踏み出せるきっかけになったらいいな」(ゲイリー)

 いつの間にか曜日の感覚がなくなり、いつもと違う風景が目の前に広がる毎日はとても刺激的だ。



「森に行きたければ森へ、海に行きたければ海へ。かつては想像もしていなかった生活だけど、好きなだけ好きな場に居続けることができるし、新鮮な冒険ができるんだ」(ゲイリー)

「壮大なスケールの計画を立てているうちに、モノの所有にこだわることがちっぽけなことなんだと思い知ったの。人生の終わりに、自分が靴を何足持っていたかなんてどうでもいいでしょ? でも、砂丘をサーフボードで下ったり、ウミガメやクジラと一緒に泳いだり、ソルトレイクで美しいサンセットを眺めたり……。旅先での思い出が私たちにとって大切なものなんだと分かったわ」(ベック)



 彼らが今まで暮らしたことのある家の中でもっとも小さく愛おしい。そんな最愛のホームとともに、自由と情熱に満ちたバンライフは続く。

【画像9枚】キャビンのDIYで一番大変だったのが天井の板張り。カーブ形状に切り取り松の板材を貼るのが想像以上に大変だったんだとか。詳細はコチラ!



>>オーストラリアのメルボルンから車で約1時間の距離にある、ビクトリア州モーニントン出身のゲイリー(左)とレベッカ(ベック/右)。移動先でできる仕事を臨機応変に選びながら、バンライフを楽しんでいる。



>>ベース車は2008年式のメルセデス・ベンツ・スプリンター315CDI。エキストラ・ロングホイールベースにスーパーハイルーフとなるモデルだ。「決め手は予算内のベース車両で、一番背が高かったこと。193cmある僕の身長でも簡単に立ち上がることができる、スーパーハイルーフであることがとても重要だったんだ」(ゲイリー)。

初出:OUTDOOR あそびーくるBOOK 2020年 Vol.07
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

Base Car:メルセデス・ベンツ スプリンター315CDI
Photos:we_who_roam
Interview:Taku Nakasaka

Photos by:we_who_roam

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