【当時仕様をGTレッドで見事に再現! 1969年式 日産スカイライン2000 GT-R vol.2】
【1】から続く 15年の後半にレストアを決意したオーナー。その際、あこがれていたGTレッドを再現することに。新車当時の写真と見比べながら、何度も調色を繰り返し、約1年かけてボディのレストアは完成する。
そして、GT‐R本来の走りを存分に味わうべく、ボディのレストアと同時にエンジンやミッションなどもオーバーホールすることにしたオーナー。そこで、元祖TC24愛好家として有名な富松拓也さんのガレージに持ち込まれた。
このPGC10に搭載されるS20型エンジンには、本来はK2ヘッドが載っているが、何らかの理由でK3ヘッドに換装されていた。しかもエンジンをバラして確認したところ、ヘッドには修正した痕跡があり、さらに新たなクラックも確認できた。そのため、溶接による修復を行い、燃焼室の形状も修正。また、溶接の熱による歪みを除去するため、修正面研も行った。
ヘッドまわりの作業としては、バルブガイドをリン青銅でワンオフして入れ替え、バルブシートカットを実施。バルブ自体はそのまま使用している。ブロック側は、クランクシャフトのバランス取りに加え、亀有製の鍛造ハイコンプピストン(2㎜オーバーサイズ)を準備。その結果、純正の1989ccから2087ccへと排気量は拡大したが、ここで問題が発覚。過去のヘッド修正時にかなり面研されており、今回の修正とハイコンプピストンによって、圧縮比は12.8まで上がったのだ。
「通常の運転なら問題ありません。無理矢理5速で低回転で回すとかしなければ大丈夫です」と富松さん。GT‐Rらしく、各ギアで回してつないでいけば、ノッキングも発生しないようだ。
【画像16枚】GT-R本来の走りを存分に味わうべく、有名TC24愛好家のガレージでレストアされた1969年式 日産スカイライン2000 GT-R。新車当時のレザーのままだというGT-R専用シートなど。フロントはリクライニング機能が省かれ、さらに4ドアのため、前に倒れる機能もない>>新品のようにリペイントされたインダクションボックス。キャブレターはソレックス44PHHに変更。低回転から高回転域までスムーズに吹ける。
>>初代GT-Rでは、空力特性に優れた砲弾型ミラーを採用する。フェンダーのウインカーは、先が尖った形状なのが特徴。マイナーチェンジ後は四角くなる。
>>軽量アルミプーリーは、ニスモのレース用を再現し、ワンオフで削り出した。
1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10)
全長439mm
全幅161mm
全高1385mm
ホイールベース2640mm
トレッド前/後1370/1365 mm
最低地上高160 mm
室内長1775 mm
室内幅1300 mm
室内高1120 mm
車両重量1120kg
乗車定員5名
登坂能力sinθ0.490
最小回転半径5.3m
エンジン型式S20型
エンジン種類水冷直列6気筒DOHC
総排気量1989cc
ボア×ストローク82.0×62.8 mm
圧縮比9.5:1
最高出力160ps/7000rpm
最大トルク18.0kg-m/5600rpm
変速比1速2.957/2速1.853/3速1.311/4速1.000/5速(OD)0.852/後退2.922
最終減速比4.444
燃料タンク容量100L
ステアリング形式リサーキュレーティング・ボール(ギア比18.5)
サスペンション前/後ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも6.45H14-4PR
発売当時価格150万円
【3】に続く 初出:ノスタルジックヒーロー2019年2月号 Vol.191
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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