東京都港区の芝浦工業大学は、1937年式ダットサン16型セダンの寄贈を受け、22年9月21日から同校豊洲キャンパス本部棟1階において一般公開を開始する。
ダットサンを寄贈したのは、芝浦工業大学の卒業生であり、全日本ダットサン会の会長である佐々木徳次郎さん。
「ただ展示するだけでなく、動けるクルマを増やし、後世に残していきたい」という佐々木さんの思いから、動態展示される。ダットサンは小型乗用車の代名詞ともされ、ガソリン車の基礎とも言える構造をしているため、理工学を学ぶ同校の学生が機械遺産を肌で感じられる機会となることを期待している、とのことだ。
【画像10枚】自走してのイベント参加など、寄贈されるダットサン16型セダンの姿を写真でチェック!今回寄贈されたダットサン16型セダンは、快進社から引き継がれ、日産自動車として最初のクルマとなったダットサン12型をさらに熟成、改良し1937年5月に発表されたクルマ。発売当時の価格は2100円で、当時の公務員の初任給が75円であったことを考えるとかなり高価だった。
ダットサン16型にはセダン以外にも、クーペ、フェートン、ロードスター、トラック(16T型)が用意され、当時の小型自動車市場を席巻したクルマだ。
後継モデルの17型で戦前のダットサンシリーズは終了し、戦後はダットサン スタンダードセダン(DA型)や新規開発された110型といったモデルが登場。後のブルーバードなどの小型車に続いていく、歴史の中の1台なのだ。
なお、豊洲キャンパス本部棟の展示場所は棟外からガラス越しに見学することも可能だ。
見学の際にはマナーを守って楽しんでほしい。
>>2019年に開催されたイベントでの全日本ダットサン会会長の佐々木徳次郎さんと、今回寄贈されるダットサン16型セダン。
>>イベント会場へ自走で入場するダットサン16型セダン。今回の展示も動態のまま保存される。
>>ホイールキャップにはダットサンのロゴが刻まれる。
>>スピードメーターは時速100km/hまで表示可能なスケール。
>>ステアリングホイールは樹脂製。その中央にもダットサンのエンブレム。
>>ノーズに装着されたダットサンの立体エンブレム。
>>ウインカーはいわゆる腕木式。ワイパーも必要最小限の大きさだ。
>>エンジンフードはこのように開く。
>>エンジンは直列4気筒サイドバルブで722ccの7型エンジンを搭載している。