普通のひとには「ただの古いファミリーセダン」にしか見えなくもないカローラGT。いわずと知れた昭和を代表する大衆車だ。
しかし、その正体は500㎰以上を出力する強心臓を積み込んだモンスター。そのギャップがたまらない!!
【1979年式 トヨタ カローラ GT Vol.2】
【1】から続く しかし、撮影を進めていううちに、そうした安易な疑問を持った自分が恥ずかしくなった。シンプルにまとめあげた外装からは想像も付かないその作り込みに、目がクギ付けになってしまったのだ。これはシブイ‼
元々はゼロヨン仕様だったこのカローラGTは、ストリート全盛期には某ゼロヨン会場でちょいと知られた存在だったという。なにせエンジンルームに収まるのはオリジナルの2T‐G型ではなく、セリカやアルテッツァに搭載される3S‐GTE型なのだ。直列4気筒ツインカムのこのエンジンをベースに排気量を2.2Lまで拡大。さらにギャレットGT3037Sタービンやハイカムをドッキングし、500㎰以上を発揮する。還暦を迎えたというオーナーだ。
「カローラGTは免許を取り立ての頃にそこら中で走っていたなじみがあるクルマ。4年半ほど前に当時、よく遊びにいっていたショップでたまたま売りに出されたのを見て、最後のクルマ道楽に好きなクルマを手に入れようと購入しました」と振り返る。
>>【画像30枚】3S-GT型をスワップするだけでなく、無駄な配線や配管を隠し、タンク類をブラックアウトされたエンジンルームなど。ダディモーターワークス流の仕上がりタービンはギャレットGT3037S。ストリートではサイズが大きすぎたが、排気量を2.2Lに拡大したことで、下からストレスなく回せるようになった。エンジンマネージメントはフルコンで行い、エアフロレス化も実施している。
サージタンクもワンオフ品。充填効率を高める。
ナンバー裏にサイズが合うオイルクーラーを追加。夏場にサーキットなどで全開にする際は、ナンバーを外せばより冷える。
1979年式 トヨタ カローラ GT (TE71)
SPECIFICATION. 諸元
■エクステリア:後期純正バンパー、前後フェンダーたたき出し、砲弾型ミラー
■エンジン:3S-GTE型改2.2L仕様、HKS製272度ハイカム、TODA製2.2Lキット(鍛造ピストン、H断面コンロッド)、ギャレット製GT3037Sタービン、ワンオフパイピング、エンジンマウント(ワンオフ加工)
■点火系:アルテッツァ用ダイレクトイグニッション、フルコン制御(Dジェトロ化)
■燃料系:大容量インジェクター、強化燃料ポンプ、コレクタータンク
■吸排気系:ワンオフ・サージタンク、φ80mm大径スロットル、ワンオフエキマニ、オリジナルφ60mmデュアルマフラー
■冷却系:ブリッツ製3層インタークーラー/オイルクーラー、アルミ製ラジエーター、12インチ電動ファン×2
■駆動系:アルテッツァ用純正6MT移植、OS技研製カーボントリプルプレートクラッチ、7.5インチデフキャリア
■サスペンション:ブリッツ製車高調、クスコ製テンションロッドブラケット
■ブレーキ:(F)マツダ純正FD3S用キャリパー (R)ディスクブレーキ化
■インテリア:マッハステアリング、日本精機Defi製追加メーター(水温、油温、油圧、燃圧、ブースト圧、エンジン回転)、APEX製REV/スピードメーター、ブリッツ製ブーストコントローラー、ワンオフメーターパネル、JZA80前期用オドメーター移植、レカロ製RS-Gスーパーシュタルク×2
■タイヤ:ダンロップ ディレッツァZⅢ (F)195/50R15 (R)205/50R15
■ホイール:レイズ ボルクレーシングTE37V (F)15×8J (R)15×8.5J
【3】に続く初出:ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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