510ブルSSSをDOHCに!【1】夢のL型DOHCエンジンを「自分で」創る方法|1972年式 日産 ブルーバード 1600 SSS

北海道のプライベーターが手がけた、チューンドL型4気筒の傑作

       

510ブルSSSをDOHCに!

40年前、オーナーがこの510ブルを手に入れた当時、DOHCといえばまさにスペシャルなエンジンの代名詞。同時に、若者には絶対に手の届かない高根の花だった。それから30年、510ブルと共に手放さなかったDOHCへの夢を、オーナーは現実のものにした。愛車のL16型エンジンを、自分でDOHC化するという大技に打って出たのだ。

【1972年式 日産 ブルーバード 1600 SSS Vol.1】

 1970年代、クルマ好きの若者たちのだれもがあこがれたDOHCエンジン。クルマ好きで、大のメカ好きのオーナーが、その当時、強く心をひかれたのが、愛車と同じL型4気筒ベースの日産ワークス仕様「LZ型」エンジンとOS技研が手がけた「TC16型」エンジンだ。

「両エンジン共に、当時20歳代の自分にはあこがれるだけで精一杯(笑)。資金を貯めて手に入れることさえ思いもよらなかったし、文字通り夢の存在でした。ただ、いつかは自分もDOHCのクルマに乗りたいという思いは持ち続けていました。このブルと一緒に、ずーっとです」とオーナー。

 510ブルは、青春時代から人生を共にする40年来の相棒だ。当時を過ごしたこの510ブルがあるかぎり、自分はいつでもあの時代に戻れると話す。
「考えてみれば、若い頃に抱いたDOHCの夢を、この歳になるまで忘れることなく抱き続けられたのは、コイツのおかげかもしれません」
 そんなオーナーがDOHCの夢を再燃させたのは、今から11年ほど前。なんの気なしに手にしたクルマ雑誌の記事に、夢のL型DOHCエンジンを自分のものにする策を見いだした。エンジンを自分で作るという方法だ。


>>【画像29枚】L16型の腰下に、他車のDOHC4バルブヘッドをドッキングしたエンジンなど




>> プライベートチューンで仕上げたL16型改DOHCは210psを発揮!






>> タイヤはアドバンネオバの185/60R14。ホイールはRSワタナベの14×6Jの組み合わせ。オーナーチューンのL16型DOHCエンジンは、このタイヤをもってしてもまだ役不足。


1972年式 日産 ブルーバード1600 SSS(510)


SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:メーカー特注レッド(全塗装)
■エンジン:L16型改DOHC(圧縮比12.6)、カム(IN332/EX288)、東名製バルブスプリング、CP製特注ピストン、オイルパン加工
■吸気系:ソレックス44PHH(ベンチュリーφ40mm、エア250、メイン190)
■点火系:ルーメニ製フルトラ、亀有MDI
■排気系:SR20型用タコ足改、自作φ76.3mmマフラー
■冷却系:純正ラジエーター3層加工(自作シュラウド)
■駆動系:OS技研製特注ツインプレートクラッチ、DR30スカイライン用ケース+S15シルビア用71Cミッション、ケンメリ用R180デフ+OS技研スーパーロックLSD(ファイナル4.1)
■サスペンション:(F)S130Z用ストラット流用車高調(AE92用ショートストロークダンパー)、スイフト製スプリング(7kg/mm)(R)タナベ製150サス、トキコプロドラGヘビー
■ブレーキ:(F)S15シルビア用4ポットキャリパー+180SX用ローター加工 (R)アルフィンドラム(加工)
■インテリア:ダッツンコンペステアリング、ワゴンR用電動パワステ自作加工、純正改240km/hスピードメーター/11000rpmタコメーター、大森メーター製サブメーター(電流、電圧、排気温、油圧、油温、水温)、エアコン装備
■タイヤ:ヨコハマ アドバン ネオバ185/60R14
■ホイール:RSワタナベ 14×6J




【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 ブルーバード 1600 SSS(全4記事)

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text:HIDEOKOBAYASHI/小林秀雄 photo:AKIOHIRANO/平野陽

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