すぐに販売できるほどの完成度を誇っていたMID4は、突然の生産中止によって世に出ることのなかったクルマだ。
当時として画期的なシステムを持つMID4は、現在もひっそりと存在している。その幻の名車の全容を紹介しよう。
【日産 MID 4-Ⅱ Vol.1】
内外のモーターショーと世界の強豪が集うサーキット、そしてジャーナリスト試乗会などでお披露目されたMID4は、多くの人から好評をもって迎えられた。発売を望む声も大きい。そこで発展型を開発し、市販化に結びつけようと言う機運が高まり、新たなスタートを切っている。これがMID4‐II(仮称)開発プロジェクトだ。
位置づけとしては、フェアレディ300ZXの上級のポジションで、日産のイメージリーダーをめざした。販売はスポーツカーに理解のある北米マーケットが中心だ。それを証明するように、ボディ構造や部品の設計、インテリアの部品や電装部品、車両製作などは、フェアレディZを生産し、北米での実績もある日産車体が担当する。(本文敬称略)
>>【画像21枚】NISSANの文字より車名のアルファベットのほうが大きくて目立っているフロントに付く、MID4のエンブレムなどリアクオーターガラスの後ろにブラックアウトしたエアインテークを設けている。Cピラーも繊細なデザインだ。
ドアの後ろに刻まれているエアインテークは、最初のMID4より開口面積を広げ、導風のための形状も工夫した。
ミッドシップカーであることを誇示するためにエンジンルームの一部を見せる演出を行っている。
【2】に続く初出:ハチマルヒーロー 2014年 11月号 vol.27(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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