走り続けるためのレストアを経ていまだ現役|レースのために作られたS54スカイラインGT-B パート3

レーシングカー直系の流れをくむプリンススカイラインGT-B。そのクルマに特別な思いをはせるのがオーナーの香取孝さんだ。クルマを手に入れた時、保存することを決めたのだが、
「ノーマルを維持しながらも、普段から走れるクルマにすることにしました。それが、このクルマらしいのかなと思ったんです。見ているよりも、走っている方がいいですから」と香取さん。

普段から気負うことなくクルマを楽しむために、さまざまな個所に手が加えられた。もちろん、ノーマル然としていることが基本的なコンセプト。
まずは足回りの強化。ホイールを履き替え、KYBのショックを組み込んだ。フロントスタビライザーにはレース用のパーツを装着し、足元をしっかりと固める。マフラーも新しく作り変え、ヘッドライトは明るいタイプへ。

機動性を高めたGT-Bは、ETCの装着などの、快適性も手に入れている。その他、数え切れないほどの手を加えられ、オーナーが納得できる、ドライビングフィールを実現するに至った。
長年続けてきた、走るためのレストア。また、同じクルマを造るのは難しいという。それだけの手間ひまをかけたクルマだけあって、愛着はさらに増す。

クルマ本来の「らしさ」を再現した香取さん。そのスタンスで他にもさまざまなクルマを造ってきた。先日はその繋がりで、あの第2回日本グランプリで観客を沸かせた生沢徹選手とイベントで会うことに。持ち込んだクルマの素晴らしさに本人も感心。香取さんの方向性の正しさを証明してくれたのだ。


●67年式 日産 プリンススカイライン2000 GT-B(S54B-3)
●全長4235mm●全幅1510mm●全高1405mm●ホイールベース2590mm●トレッド前/後1265/1255mm●最低地上高155mm●車両重量1095kg●乗車定員5名●最高速度180km/h●登坂能力sinθ0.47●最小回転半径5.25m●エンジン型式G7型●エンジン種類水冷直列6気筒SOHC●総排気量1988cc●ボア×ストローク75.0×75.0mm●圧縮比9.3:1●最高出力125ps/5600rpm●最大トルク17.0kg-m/4400rpm●変速機前進5段/後退1段 2~5速シンクロメッシュ●変速比1速2.851/2速1.854/3速1.378/4速1.000/5速0.810/後退3.564●最終減速比4.444●燃料タンク容量99L●ステアリング形式リサーキュレーティングボール式●サスペンション前/後独立懸架ウイッシュボーン・コイル/リジッド半楕円リーフ●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング●タイヤ前後とも5.60-13-6PR●発売当時価格94万円



ナルディタイプのステアリングの奥に4連丸メーターが並ぶレイアウトが、レーシングカーをイメージさせる。


ホーンボタンのセンターにプリンスのエンブレムが記されている。他のモデルでは直線的なプリンスマークを採用していた。



GTシリーズはタコメーターを装備。6500rpmから始まるレッドゾーンがレーシーな印象をさらに強めてくれた。


リクライニング式バケットシートに交換されている。4点式シートベルトはレーシングカーから移植されたもの。


当時のオプションパーツとして2点式シートベルトが設定されていた。バックルにはプリンスのマークが記される。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 Vol.181(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo : Hidenobu Tanaka/田中秀宣 text : Keishi Watanabe/渡辺圭史

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