67年誕生! 世界初のロータリーエンジン搭載量産車もスポーツカーだった|69年式マツダコスモスポーツ Vol.1

正式発売は67年5月。試乗した際にはその夜は眠れなかったほど衝撃的だったのである。

       
世界に誇れる日本車は何台かある。その最初の作品が、マツダのコスモスポーツだ。

ピストンを往復運動させて動力を生み出すレシプロエンジンは世界中にたくさんある。

だが、回転運動で動力を発生するロータリーエンジンを積むクルマは、きわめて少数だ。

コスモスポーツは、ロータリーエンジン搭載車としては世界で2番目だが、2ローターのロータリーエンジン搭載車としては世界初の量産車になる。


 コスモと命名されたのは1964年秋だ。全日本自動車ショーと東京モーターショーに参考出品されたプロトタイプを見たが、とてもカッコよかった。

リアピラーを強く傾斜させたクーペフォルムがスポーツカーの常套デザインだと思っていたが、コスモはまったくデザインバランスが違う。

これに驚かされたのである。フロントとリアのフード部分が長く伸びやかで、その上にコンパクトなキャビンが載っていた。



フロントパネルの前側中央に、誇らしげに付くエンジンローターを模したバッジ。



先端には、筆記体の欧文で作られた車名のエンブレム。



マツダの表記はリアにあり、欧文の切り分け文字となっている。改めて眺めてみると、どのバッジやエンブレムも世界初のロータリーエンジン搭載量産車への誇りを込めたデザインだと分かる。



テールランプレンズは、上下ともに国内仕様は赤が基本。だが輸出仕様では上が橙のレンズも存在していたようだ。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年4月号 Vol.150(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Hideaki Kataoka / 片岡秀明 Photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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