遅れて発売になった第2世代のe‐POWERは、予想以上に活気ある走りを見せてくれた。先代は騒々しいエンジン音にへきえきしたものだ。が、第2世代はエンジンの存在感が薄れ、EV走行できる領域が大幅に増えた。前輪を駆動するモーターは3リットルクラス並みの分厚いトルクを瞬時に発生する。だから蹴り出し感が強く、ノーマルモードでも加速は俊敏だ。Sモードを選べば痛快な加速を引き出せる。
しかも滑らかで、加速時も静粛性が高い。どの席に座っても快適性は大きく向上した。ワンペダル制御のeペダルの採用と相まって日常域でのドライバビリティは優秀だ。減速Gの立ち上がりを意識して抑えていることもあり、ゴーストップの多い走行シーンでも扱いやすかった。ペダルの踏み替えが最少で済むから山岳路や下り坂での減速をスムーズに行うことができるのも利点の1つだ。回生ブレーキが上手に速度をコントロールしてくれる。
プラットフォームはキャリーオーバーだ。が、この弱点をデュアルピニオン式の電動パワーステアリングと上手にチューニングしたサスペンションが補っていた。気持ちいい操舵フィールを身につけ、頭の揺れを抑えた自然なロール感も好印象である。先代より路面追従性がよくなり、足がしなやかに動く。乗り心地も良好だ。BSのトランザを履くルキシオンはちょっと硬質な印象だが、エコタイヤを履くハイウェイスターなどは当たりが優しい。
大きく進化したのは、ハンズオフ機能を備えた運転支援システムのプロパイロット2.0だ。上手に直進を保ち、上手に追従する。この装備だけでセレナを選ぶ価値があると思う。
>>水平基調の開放感あふれるインパネを採用し、メーターの左側に大画面のディスプレーを並べた。ステアリングは全グレード本革巻きで、下側を平らにして乗り降りしやすく配慮している。シフトセレクターレバーは珍しいプッシュボタン式で、センター側に設置した。各種のスイッチ同様に慣れるまでは使いにくい。
