「いっつぁん」が駆ったブルドッグ【4】「ブルドッグ奮走! ボアアップで排気量が拡大したワンメイクレース仕様で挑む|1985年式 ホンダ シティ ターボⅡ

エンジンルームに向かって左側に配置された小型・高効率のインタークーラー。最適空燃費にコントロールする高感度な電子燃料噴射装置(PGM-FI)も採用する

【1985年式 ホンダ シティ ターボⅡ Vol.4】

【画像19枚】ホンダの国産車で初めてスモークドガラスを採用したサンルーフはメーカーオプション設定。チルトアップのほか完全取り外しも可能で、その場合は前面のディフレクターが自動で持ち上がり、風の巻き込みを抑える

このベース車両に対して、いっつぁんのブルドックはワンメイクレース「シティターボ・レース」仕様。これは実在したレースで、鈴鹿F2レースの前座としてシリーズが組まれていた。車両はN2仕様で無限が製作。

84年3月に初開催され、翌85年には「シティ・ブルドック・レース」に改称された。話が現実に逸れたが、いっつぁんのブルドックはボアアップで排気量が1723ccに拡大され、最高出力は138psにアップ。ボディも大迫力のワンメイクレース仕様に仕上げられた。レースではいつものいっつぁんらしさに加え、意外なドライビングテクニックも見せるなど奮闘して存在感を発揮した。



いっつぁんとブルドックの見せ場は、レース序盤。富士スピードウェイを出て御殿場市街地を走るいっつぁんは、前を走る3台を抜きにかかるが、市街地らしい90度コーナーで前走車が揃ってスピン。絶体絶命の危機に直面したとき、とっさにアクセルを踏み前に逃げて難を逃れた。だが、いっつぁんは初レースの現実にビビってしまう。そんないっつぁんに那智はレーサーとしての素質を感じながら、憎まれ口を叩くことで再び闘争心に火をつけた。そしていっつぁんを先導しながらドライビングテクニックを教えていく。那智の優しさが感じられる。だが、東名高速に入ると、さすがにハイパワーの那智や風見には付いていけず後れを取ってしまうのだった。


1985年式 ホンダ シティ ターボⅡ(AA)

全長×全幅×全高(mm) 3420×1625×1470
ホイールベース(mm) 2220
トレッド前/後(mm) 1400/1390
車両重量(kg) 745
エンジン型式 ER型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1231
ボア×ストローク(mm) 66.0×90.0
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps/rpm) 110/5500
最大トルク(kg-m/rpm) 16.3/3000
変速比 1速2.916/2速1.764/3速1.181/
4速0.846/5速0.655/後退2.916
最終減速比 4.066
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 185/60R13(前後とも)
発売当時価格 127.8万円

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【5】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 ホンダ シティ ターボⅡ(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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