【4】から続く【1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-Rレーシング Vol.5】
【画像30枚】デスビはワークス用だが、プラグコードはセスナ用を流用。渡辺さんは性能向上のために新しい試みを行っていた。2019年の「サウンド・オブ・エンジン」で、GT-Rレーシングをドライブした松田次生選手。
走行後には、「ピックアップもよく、高回転まで軽々回るフィールや振動も少なく、不安な要素が全くありません。これからオークションに出品されるので、6000rpm程度に抑えて走りましたが、そこから上が本領発揮である素性は感じられました。僕のハコスカとは別次元の仕上がりで、次にオーナーになられる方が本当にうらやましいですね」と絶賛していた
本物のレーシングカーのボディにワークス直系のエンジンを搭載したKPGC10。車体のコンディションやその素性も明らか。今後、これ以上の個体が出てくることはないと断言していいだろう。
渡辺さんが愛したこのレーシングマシンは2020年1月9日(金)に東京オートサロン会場で開催されたBHオークション「SUPER GT AUCTION‐TAS」に出品された。
フォーミュラカーなども含めた、レーシングカーのみが登場したこのオークションにおいて、このスカイラインGT-Rレーシングは2900万円で落札されることとなった。
神様の遺した1台は、次のオーナーのもとで、再びエンジンに火が入る日を待つこととなったのである。
>>2011年のカーショーに展示するために、フロア下を含めて一度大幅な手直しを行っているため、コンディションはかなりいい状態だ。
>>プロペラシャフトは2分割タイプで、高回転で発生する振動を抑えている。R192デフにはアルフィンカバーを、リアスタビも装着した当時のレース仕様だ。
>>ミッションは3分割の71Aで、オプション2がセットされている。かなりレシオがクロスしており、吹け上がりはかなり鋭い!
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1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-Rレーシング
■️ボディ:レース用ボディ、ワークスオーバーフェンダー、アクリルウインドー(フロントはガラス)、レーシングジャケット、FRP製ボンネット/ドア/トランク、ワークスフロントスポイラー、初期型リアウイング、オールペイント&軽量化(GT-Rサービスワタナベ)
■️直列6気筒DOHC S20型(1989cc:ボアφ82mm×ストローク62.8mm)、最終仕様ワークスエンジンSPEC、2本リング鍛造ピストン、チタンコンロッド、特注クランク、燃焼室排気側ペントルーフ、作用角、リフト量変更、ドライサンプ用オイルキャッチタンク、ルーカスインジェクション用機械式タコメーターユニット、各部軽量化
■️吸排気系:ウエーバー45DCOE9、ピロボールリンケージ、ワークス(モナカ)エキゾースト、デュアルサイドマフラー
■️点火系:ワークスディストリビューター、レース仕様プラグホール&プラグキャップ+セスナ用プラグコード、MSD製STREET FIRE(CDI)■️冷却系:レース用3層ラジエーター、オプションオイルクーラー
■駆動系:クラッチ、ワークスオプションタイプ2、F仕様ミッション、アルフィンカバー付きR192デフLSD️■燃料系:レース用安全燃料タンク(100リットル)&コレクタータンク、2機掛け燃料ポンプ、フィルター、エア抜き用ブリーザー
■サスペンション:レース用ストラット、スタビライザー(F:φ21mm、R:φ12.7mm)■️ブレーキ:(F)MK63 4ポットキャリパー+φ280mmローター (R)アルフィンドラム
■タイヤ:DUNLOPスリック(F)220/575-15 (R)340/575-15
■️ホイール:レース用ゴッディ15インチホイール(マグネシウム)(F)15×9.5J -25 (R)15×11.5J -44
■️インテリア: レース仕様ダッシュボード、10000rpmタコメーター、KS製サブメーター(水温、電流)、YAMAMOTO KEIKI製作所製油圧計、ナルディ製ステアリング、ダッツンコンペシート(運転席)、カート用シート(助手席)、4点式ハーネス、チタン製3点式ロールバー、レース用ステアリングギアボックス(15.2:1)
【1】【2】【3】【4】から続く初出:ノスタルジックヒーロー vol.197 2020年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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