風見潤が選んだ3代目Z31【3】レオーネのパーツでフルタイム4WDとなったZ|1983年式 日産 フェアレディZ 300ZX 2by2

VG30ET型は、日本初の3ℓV6ターボ、国産車初の200psオーバー、当時最強の230psと、多くの話題を振りまいた。


【1983年式 日産 フェアレディZ 300ZX 2by2 Vol.3】

【画像15枚】トランスミッションは、5速MTのほかに4速ATも設定。シフトレバー後方にあるのは、電動ドアミラー調整スイッチと、3ウェイアジャスタブルショックアブソーバーのスイッチ

当時の国産車で1、2のポテンシャルを秘めていたZ31だったが、ストーリーの中では強敵に立ち向かうため、リスクを承知でエンジンまでチューン。

VG30ETはボアアップされ、ツインターボを装着。さらに駆動系は、アウディ・クワトロを参考に、レオーネのパーツを流用して作ったフルタイム4WDとしている。

この数年後に登場するR32GT-Rを彷彿させるメカニズムに、読者は度肝を抜かれたのだ。


>>超絶なポテンシャルを持つ夢幻のニューカーに対抗するべく、風見は東日本サーキットGPの参戦車両にZ31を選んだ。当初はVG型エンジンの耐久性を考慮して周辺チューンにとどめる方向だったが、夢幻のドライバーがナベさんと知った風見は、禁断のボアアップを決断。そして、圧倒的なパワーを最大限に4つの車輪に伝えるため、レオーネのパーツを流用してフルタイム4WDに改造した。この仰天のフルタイム4WD化はメリットもデメリットも未知数だったが、小早川卓がドライブするZ31との名阪高速でのバトルや、鈴鹿でのハイギヤードMR2やプロトレーシングとのバトルなど、さまざまなシーンで効果を存分に発揮したのだ。

1983年式 フェアレディZ 300ZX 2by2(Z31)

全長×全幅×全高(mm) 4535×1725×1310
ホイールベース(mm)  2520
トレッド前/後(mm) 1415/1435
車両重量(kg)  1365
エンジン型式  VG30ET型
エンジン種類 V型6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比7.8:1
最高出力(ps/rpm) 230/5200
最大トルク(kg-m/rpm)34.0/3600
変速比 1速3.350/2速2.056/3速1.376/
4速1.000/5速0.779/後退3.153
最終減速比 3.545
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 327.0万円

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【4】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 日産 フェアレディZ 300ZX 2by2(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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