開発コードナンバーRX87のクーペ【1】ジウジアーロとともにマツダデザインの歴史を作ったロータリークーペ|1971年式 マツダ ルーチェロータリークーペ

フロントグリル内にあるロータリーを型取ったゴールドのマツダエンブレムはオーナーのお気に入りポイント

       
1960年代初頭、ロータリーを主軸とすることへ舵を切ったマツダは次期フラッグシップモデルとして計画中のロータリーセダンのデザインをベルトーネに依頼。
担当したのは当時ベルトーネに在籍していたジョルジェット・ジウジアーロ。
完成したプロトタイプはマツダによってデザイン修正されるとともに、搭載エンジンはレシプロへと変更された。
「やはりロータリーはスポーツモデルに」というマツダ側の意向があってのことだった。

【画像17枚】ジウジアーロデザインによる流麗なボディを持つルーチェロータリークーペ

ロータリーを搭載したルーチェのクーペモデルが登場するのは、1967年10月に開催された「第14回東京モーターショー」。
「RX87」の開発コードナンバーが与えられたプロトタイプがマツダブースに展示され、話題となった。
ベルトーネデザインのセダンを、当時のマツダのデザイン部が自分たちのセンスでクーペへと作り上げたものだ。

1968年の「第15回東京モーターショー」にも出展されたRX87は、最終試作型と呼称され、それから約1年後の1969年10月に発売を開始。
ちなみにこの年の「第16回東京モーターショー」にはグリルの格子がヘッドライトまで延びるコーンシールド装着モデルが展示されたが、発売されることはなかった。


>>マツダ ルーチェロータリークーペ。当時ベルトーネに在籍していたジョルジェット・ジウジアーロがデザイン。



>>ボディ以上に大変だったレストアがこのレザートップ。スーパーデラックス専用のトップルーフが見事によみがえっている。もちろんウインドーの当時のステッカー類はそのまま。こうしたレストアの仕上げ方は、スターフィールドをはじめとする旧車専門ショップならでと言えるだろう。



>>レンズ類など多くのパーツがセダンのものとは違うクーペ専用品が採用された豪華な作りとなっている。

主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 マツダ ルーチェロータリークーペ(M13P)

全長 4585mm
全幅 1635mm
全高 1385mm
ホイールベース 2580mm
トレッド前/後 1330/1325mm
最低地上高 185mm
室内長 1605mm
室内幅 1355mm
室内高 1095mm
車両重量 1255㎏
乗車定員 5名
最高速度 190㎞/h
登坂能力 29°16′
最小回転半径 5.3m
エンジン型式 13A型
エンジン種類 2ローター・ロータリー
総排気量 655㏄×2
圧縮比 9.1:1
最高出力 126ps/6000rpm
最大トルク 17.5㎏-m/3500rpm
変速比1速 3.727/2速2.176/3速1.391/4速1.037/後退3.727
最終減速比 3.900
燃料タンク容量 65ℓ
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション 前ダブルウイッシュボーン・トーションラバー/後セミトレーリングアーム(コイルスプリング)
ブレーキ 前ディスク/後リーディング&トレーリング
タイヤ 前後とも165HR15
発売当時価格 175万円

【2】へ続く

1971年式 マツダ ルーチェロータリークーペ(全3記事)
初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
関連記事:マツダの100年

photo:Nobutaka Koremoto/是本信高 cooperation : ガレージスターフィールド

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