珍しいモデルがマニアのせん望を浴びるのはクラシックカーでもビンテージウオッチでも同じ。希少性の高さでモータースポーツファンに高い人気を得る1本をご紹介しよう。
【ホイヤー オーダーヴィア|ビンテージウォッチの奥深き世界vol.1】
モータースポーツと腕時計は相互に刺激を与えながら発展してきた。スピードを競うレーシングカーには精密に計測できる時計が不可欠だったし、高性能な計時は優秀なマシンを生み出す大きな後押しとなったのである。
ホイヤー社(現タグ・ホイヤー)はそんな両者の深い関係を古くから築いてきた先駆的ブランドである。1960年代の時点で高度な技術を用いて精確な計測を実現。優秀なプロドライバーたちから絶賛されると、数多くの愛用者を生み出した。
なかでも代表的な存在として有名なのが、カーレーサーのジョー・シフェールだ。彼は1964年にスイス人で初めてF1レースで優勝。ポルシェのエースドライバーとして活躍し、フォードやフェラリーとの対決で観客を沸かせた。ハリウッド俳優のスティーブ・マックイーンとも親交があり、1969年公開の大ヒット映画「栄光のル・マン」の役作りなどにも影響を与えたと言われる逸話を持つ。
【画像7枚】モータースポーツと腕時計は、相互に刺激を与えながら発展してきた。ホイヤーその先駆的なブランドだ。>>1967年にスイス人で初となるF1優勝を果たした伝説のドライバー、ジョー・シフェールが愛用したクロノグラフ。ホワイト文字盤タイプ×ブレスレット仕様はビンテージ市場でもタマ数が少なく希少。世界初の自動巻ムーブメントを搭載する。1970年代製造。ケース径41㎜。
>>レーシングウオッチらしくリューズを左側にセットして操作性を高めたデザイン。
>>純正の6連ブレスレット。留め具部分の裏側にはブレスレット供給メーカーのゲイ・フレアー社製を示す文字が刻印されている。
ジャックロード
ビンテージ、現行品問わず幅広い品揃えを展開する、東京・中野ブロードウェイの老舗時計店。総在庫本数は常時6000本を超え、訪れるたびに新しいモデルに出合える。
初出:ノスタルジックヒーロー2019年8月号 Vol.194
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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