【2】から続く2年に1度のインターバルで開催される「ル・マン・クラシック」が、2018年も7月7〜8日にかけ、ル・マン24時間レースと同じサルト・サーキットで開催された。文字どおり、かつてル・マンを走ったマシンによるヒストリックカーレースである。その一部始終をテーマに沿って紹介する。
【2018イベント振り返り ル・マン・クラシック2018 vol.3】
ポルシェAG自体も、1948年にオーストリア・グミュントで創業して以来、2018年は70周年の節目の年。いろいろな記念イベントを展開中だが、ル・マンで多大な功績を残したポルシェだけに、ル・マン・クラシックもレーシングポルシェの視点で取り上げたら、と考えてみた。
もっとも、ポルシェがル・マンで念願の初優勝を飾るのは1970年。917Kによる勝利だが、この904から917にいたる華々しい(?)活動期の優勝は、翌1971年と合わせて2度を数えるのみ。ポルシェの真価がル・マンで発揮されるのは、1980年代に入って1982年にグループC規定が適用されてからのこととなる。
1982年から1990年まで適用されたターボCカー時代に、ポルシェは956と962Cで6連覇。ワークスカーの仕様を翌年市販するポルシェ流レーシングプロジェクトのお陰で、ターボCカー時代はポルシェ一色の顔ぶれとなった。もし、ポルシェが956と962Cを市販していなければ、グループCカー規定は早々につぶれていた可能性が高い。文字どおりグループCカー時代を支えたのは、ポルシェだったと言ってよいだろう。
また、ヒストリックカー・レースの中で、最も人気を集めているのがこのグループCカーの時代。そのグループCレーシングがル・マン・クラシックを構成する1カテゴリーとして組み込まれた意味は大きかった。
実際、ポルシェのエントラント数は多く、どれほどの956、962Cが集まったのか興味がわく。数あるバリエーションを紹介してみるのもおもしろいかと思い、片っ端から並べてみることにした。驚くことに、台数が多く、全車の紹介は誌面の都合で不可能なことが判明。主要なところから選択してみたが、意外と日本になじみのある車両が多いことに気づかされた。まずはじっくりとご覧いただきたい。
【画像31枚】ル・マンのグループCカー時代を支えたのは、ポルシェだったと言ってよいだろう>>ル・マン(ACO)をメーンカラーとしたオーベルマイヤーレーシングの962。ル・マン参戦用のスペシャルカラーだった。
>>トラストに続き1984年にポルシェ956をJSPCに参戦させたアドバン。翌1985年から962に変更。JSPCシリーズの王者だった。
>>ケンウッドがスポンサードしたクレマー・ポルシェ962。バブル期でル・マンに日本企業がこぞって進出した時期だった。
初出:ノスタルジックヒーロー 2018年 12月号 Vol.190
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
2018イベント振り返り ル・マン・クラシック2018(全3記事)関連記事: 2018イベント振り返り【1】【2】から続く