ベントレーが限定車「ル・マン・コレクション」を発表。伝説のレース ル・マンと自身の歴史を祝う

伝説のレース ル・マンと自身の歴史を祝う限定車「ル・マン・コレクション」

       
英ベントレーは4月12日、伝説のル・マン24時間レースの初開催から100年と、自身のル・マン24時間レース6度目の優勝から20年を記念して、ル・マン・コレクションと題した「コンチネンタルGTクーペ」と「コンチネンタルGTC」の限定車を製作すると発表した。

【画像16枚】各部にル・マン優勝車を思わせる仕掛けの施された限定車両

今やF1モナコグランプリ、インディ500と並ぶ世界三大レースと呼ばれ、デイトナ、スパ・フランコルシャンとともに世界三大耐久レースと呼ばれるレースの中でも圧倒的な知名度を誇るル・マン24時間レース。
出場するだけでも名誉とされるレースの第1回は、今から100年前の1923年、33台の車両がル・マン市内のサルト・サーキットを走り出したことから始まった。

この時はまだ「ラッジウィットワース杯24時間耐久グランプリ」という名称だった耐久レースには18のメーカーが参加したが、このうち16メーカーは地元フランスのメーカーであった。
そんな中、イギリスから唯一参加したメーカーがベントレーである。

1923年、プライベート参戦のジョン・ダフがベントレー3リッターで初のル・マン24時間レースに挑むと聞いたベントレーの創業者W.O.ベントレーは「全くクレイジーだ。きっと誰も完走できない。クルマは24時間、そんな負荷がかかるように設計されていない」と反応した。

しかし、ダフとフランク・クレメントの駆るベントレー3リッターは4位でフィニッシュ。ファステストラップも記録した。
第2回大会ではダフ/クレメント組のベントレーがついに優勝。ベントレーもワークスチームとして参戦するようになり、1930年までの7年間で5回の優勝を飾り、ル・マン24時間レースでひと時代を築くこととなる。
その後長らく優勝はなく、参戦もしなくなったが、2001年からベントレーは3カ年計画を立て、EXPスピード8でル・マンに出場。3年目にあたる2003年に7号車が優勝、8号車が2位の1−2フィニッシュで、6度目の優勝を飾っている。

「ル・マン・コレクション」は、そんな輝かしいベントレーとル・マン24時間レースの歴史を祝う限定車だ。パーソナルコミッション部門のマリナーが、2003年のル・マン24時間レース優勝車である7号車のデザインからインスピレーションを得て開発したモデルで、ユニークなエクステリアとインテリアのディテールが施される。


限定48台だけの特別仕様


インテリアには、タッチスクリーン、デュアルパネル、アナログダイアルの3種類から選べるベントレーローテーションディスプレイが装備され、中央の標準ダイアルの代わりに装備されたガラスケースの中には、2003年のル・マン優勝車であるベントレー・スピード8の4.0リッターツインターボV8エンジンの給排気バルブの一部が収められる。


>>中央の標準ダイアルの代わりに装備された2003年のル・マン優勝車、ベントレー・スピード8の給排気バルブの一部

このエンジンはレース後に取り外されて保存されていたが、そのエンジンバルブ32本中24本を切断してこの特別なコレクションのための48個のアーティファクト(工芸品)として作成されたもの。
つまりコレクションの限定台数も、GTクーペとGTCそれぞれ24台の合計48台となる。

標準装備の12時間表示のアナログ時計の代わりに、特注デザインの24時間表示のデジタル時計が採用されているのもポイントだ。


各部にEXPスピード8 7号車へのトリビュートも


エクステリアは、2003年のル・マンに優勝した7号車のデザインを踏襲したバーダントグリーンのボディカラーに仕上げられ、ボンネットおよびクーペのルーフには、ムーンビームレーシングストライプが施される。

また、ベントレーの特徴的なマトリックスグリルにも、アークティカホワイトでナンバー「7」のゼッケンが描かれる。
ナンバーはもちろん7号車から、そしてグリルにゼッケンを描くのは、1924年から1930年の間にル・マンで5回優勝した当時のベントレーのラジエーターのペイントを表したものである。

ル・マン・コレクションには、ベントレーとル・マン24時間レースの長く輝かしい共通の歴史へのトリビュートが注ぎ込まれている。




>>2003年のル・マン24時間レース優勝車である7号車のデザインからインスピレーションを得たエクステリア

RECOMMENDED

RELATED

RANKING