ケンメリ最終モデルのワンオーナー車【3】「パワーウインドーが嫌いで、その設定がない中で一番上級なグレードを選んだ」|1977年式 日産 スカイライン 2000 GT-E Lタイプ エクストラ

トランク左側にある「NAPS(ナップス)」のエンブレムは、排ガス規制適合車を表すもの

       
【1977年式 日産 スカイライン 2000 GT-E Lタイプ エクストラ Vol.3】

【2】から続く

 C110スカイラインを語る上で、豪華装備の4ドアセダンは欠かすことのできない存在なのだ。そんな1台を新車当時から所有しているオーナーを今回取材した。

 オーナーは、5代目のC210(通称:ジャパン)が発売される直前の1977年7月に、あえてモデル末期のケンメリ4ドアセダン2000GT‐E・Lタイプ エクストラを購入した。理由は「ケンメリのほうがカッコよかったので、ジャパンが出る前にディーラーの倉庫で在庫車から選んで購入した。自分は2ドアは好きではなく、買うなら4ドアと決めていた」と単純明快だ。

 当時のグレードは4輪ディスクブレーキが装備されるスポーツタイプの2000GTX‐E・Sタイプ、ウッドステアリングやカセットステレオなどが標準となる豪華仕様の2000GTX‐Eなどが上位にあり、オーナーが選んだ2000GT‐E・Lタイプ エクストラは3番目に高価なモデルだ。
「パワーウインドーが嫌いで、その設定がない中で一番上級なグレードを選んだ」ということらしい。
 以後40年にわたり、車庫保管、雨天未使用で愛され続けてきたケンメリ。「命ある限り、乗り続けますよ」と、オーナーの決意も固く、今なお月に数度のドライブが楽しみで仕方ないそうだ。


>>【画像18枚】GTX-Eとエクストラシリーズでないと装備されない豪華装備となるAM/FMラジオとオートリバース式カセットのセットなど




>> 大きなトラブルもなく、40年間走り続けているL20E型エンジン。エアクリーナーボックスが水色であることから、レギュラーガソリン仕様と判別できる。





>> 70年代中盤から巻き起こった排ガス規制にL型エンジンも逆らえず、キャブレター仕様からインジェクション仕様へと燃料供給方式を変更した。





>> 「NISSAN OHC」の文字が浮かび上がる伝統のヘッドカバー。L型エンジンオーナーの誇りだ。




リアフェンダーに見える「SKYLINE」の文字入り泥よけや運転席の窓上部を覆うバイザーは、ディーラーで取り付けた純正品だ。


1977年式 日産 スカイライン 2000 GT-E Lタイプ エクストラ(GC111)


SPECIFICATION 諸元
全長 4460mm
全幅 1625mm
全高 1395mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1370 / 1350mm
最低地上高 165mm
室内長 1790mm
室内幅 1355mm
室内高 1135mm
車両重量 1200kg
乗車定員 5名
登坂能力tanθ 0.45
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 L20E型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7mm
圧縮比 8.6:1
最高出力 130ps / 6000rpm
最大トルク 17.0kg-m / 4400rpm
変速比 1速 3.321 / 2速 2.077 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.864 / 後退 3.382
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架 / セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.45S14-4PR
発売当時価格 135.2万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1977年式 日産 スカイライン 2000 GT-E Lタイプ エクストラ(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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