わずか4ヶ月! 短期間しか製造されていなかった、初代カローラ1200モデル|1969年 トヨタ カローラ バン 1200 デラックス

安全性を考慮し、ダッシュボードは上部に保護パッドが付く。トランジスタラジオを装備。デラックスのみダッシュ下にアンダートレイがある。

       
昔は各自動車メーカーから、多くの乗用車型商用バンがラインナップされていた。
普段は乗用車のように乗れ、いざとなれば多くの荷物を積むことができる働き者たち。
今あらためて彼らの姿を見ると、懐かしい昭和の風景を思い出さずにいられない。

【1969年 トヨタ カローラ バン 1200 デラックス Vol.2】

【1】から続く

 初代カローラは1969年9月のマイナーチェンジでセダンとバンともにエンジンがK型から3K型へと変更された。これにより排気量が1077ccから1166ccとなり、車名はカローラ1200となる。

 カローラは同クラスである日産サニー1000のライバルとして、プラス100ccの余裕をうたいカローラ1100としてデビューしている。サニーは1970年1月に2代目であるB110系に移行するにあたり、カローラの上を行く新開発のA12型1171ccエンジンを搭載し、サニー1200として一矢報いるつもりだった。しかしカローラはその先手をうち、ボディは初代のまま1200化する戦略をとった。このとき車台型式がセダンはKE11に、バンはKE18Vに変更となっている。カローラは1970年5月にフルモデルチェンジを控えていたため、初代カローラの1200モデルは短期間しか生産されていない。

>>【画像20枚】K型の特徴である、車体左側に傾斜して搭載することにより、重心を下げようとしたのがよく分かるエンジンルームなど




スポーティーな丸形2連メーター。初期型とは逆の配置になっており、左は160km/hまで刻まれた速度計。右が水温計と燃料計。





左右セパレートタイプのフロントシート。運転席、助手席ともに3点式のシートベルトが装備される。





ベストセラーを支えた、乗用車感覚のコマーシャルバン



1969年 トヨタ カローラ バン 1200 デラックス(KE18V-D)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3905mm
全幅 1490mm
全高 1400mm
ホイールベース 2285mm
客室荷台長 1480mm(860mm 以下カッコ内は5名乗車時)
客室荷台幅 1220mm(1200mm)
客室荷台高 845mm(835mm)
車両重量 760kg
乗車定員 2(5)名
最大積載量 400(200)kg
最高速度 135km / h
燃料消費率 20km / L
登坂能力sinθ 0.371
最小回転半径 4.55m
エンジン型式 3K型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1166cc
ボア×ストローク 75.0×66.0mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 68ps / 6000rpm
最大トルク 9.5kg-m / 3800rpm
燃料タンク容量 35L
変速 機フロア式 前進4段後退 1段オールシンクロメッシュ
変速比 1段3.684 / 2段2.050 / 3段1.383 / 4段1.000 / 後退 4.316 / 最終減速比4.444
ステアリング形式 / ウォーム・セクターローラー式
サスペンション前/後 マクファーソンストラット式コイル・リーフスプリング併用 / リジッド・リーフ
ブレーキ前後とも ドラム
タイヤ前後とも 5.00-12 6PR
発売当時価格 47万8500円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 10月号 Vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年 トヨタ カローラ バン 1200 デラックス(全3記事)

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【1】から続く

photo:TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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