稀少なコラムシフト510は、昭和52年時3万9900km、平成10年時8万4400km!?|1967年式 日産 ブルーバード 1300DX

3速ミッションのステッカーがリアウインドーに。5速やフルシンクロのステッカーはあったが3速とは? 「おもしろいんで自分で作りました」とオーナー。やるもんです。

       
それほど旧車に興味があったわけではない。一度はAE86で思う存分楽しんだ時期もあったというが、気がつけばそれぞれの時代の現行車を乗り継いでいたというオーナー。
それがある日「旧車もなかなかいいなぁ」と気持ちが傾きはじめると、坂を転がり落ちるようにして急加速。「510は旧車の保守本流、それほどでも」という認識とは裏腹に「やっぱりカッコいい」という思いが募り、510探しに奔走することになったのだが……。

【1967年式 日産 ブルーバード 1300DX 〜2016〜 Vol.4】

【3】から続く

 名義変更をしたらそのままのナンバーでは乗ることができない。
「オークションでこの510の入札に残ったのは私ともう1人の方でした。それなりに価格は上がっていましたが、相場から見ればまだ格安の状態。なんとしてでも欲しかったんですが、もし相手の人が岐阜の方だったらどうしようか、とためらいました。この方が落札すれば『岐5』のナンバーは、そのまま引き継がれるわけですよね。この部分が引っ掛かってしまって」
 オーナー、結局この510の落札には成功するのだが、「岐5」ナンバーの存続にこだわり、いったんは入札をためらったというから、なんと言うか、根っからの旧車人なのだろう。
 さて、オーナーが落札した510ブルーバード、1967年式と最初期型。しかも1300DXとなかなか希少なモデル。当時としてはベーシックなグレードで、3速コラムシフト仕様だ。
 60年代後半は、ちょうどコラムシフトからフロアシフトへの移行期で同時期の新生カローラはすべてにフロアシフトを採用、歴史を重ねたモデルにはコラムシフトが残る時代だった。


【画像18枚】上が昭和52(1977)年時のもので走行距離は3万9900km、下は平成10(1999)年時のもので走行距離は8万4400kmと記されたタイヤエア圧のプレート上下に貼られたタイヤ管理のステッカーなど



3速コラムを操作するオーナーとシフトノブ談議となり、テコの原理でシフトノブはある程度重いほうが操作しやすいという結論に到達。かつてコラムシフトのタクシーがシフトノブを代えていた例が多かったのはこのためだろう。オーナー、リズムよく操作を行っていた。





横長のスピードメーター、半円形のホーンスイッチ、そして3速コラムシフトと時代をしのばせるインテリア。コラムカバーにH型のシフトパターンが白く手書きで記されていた。4速コラムになるとリバースの位置が変わるので注意を喚起する意味があったのだろう。





3速コラムを操作するオーナーとシフトノブ談議となり、テコの原理でシフトノブはある程度重いほうが操作しやすいという結論に到達。かつてコラムシフトのタクシーがシフトノブを代えていた例が多かったのはこのためだろう。オーナー、リズムよく操作を行っていた。


【5】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 Vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 日産 ブルーバード 1300DX(全6記事)

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【1】【2】【3】から続く

text & photo : AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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