6代目R30スカイライン、4気筒エンジンの復権|スカイラインは4気筒か6気筒か? Vol.3

脇役になってしまった4気筒シリーズが復権を果たすのは6代目のR30のときだ。DOHC4バルブの硬派モデル、RSが加わり、劣勢から優勢に転じるのである。これに続くRSターボはリッター当たり100psを超え、「史上最強」を誇示した。走りはGT以上に鮮烈だ。

       
スカイラインといえば、ハコスカGT-Rに代表される6気筒スポーツモデルが頭に浮かぶが、S50の時代までは4気筒が主役だった。もし第1回日本グランプリの惨敗がなければ、スカイラインは違った道を進んでいたのかもしれない。

【スカイラインは4気筒か6気筒か? Vol.3】

 プアマンズ・スカイラインではまずい、とメーカー側も気づいたのだろう。5代目の「ジャパン」のときに4気筒エンジン搭載車は「TI」を名乗った。また、リアサスペンションもリーフスプリングから4リンク/コイルに進化させている。GT並みにスポーティなTI‐E・Sも設定し、2000TI‐E・Sでは2000GTと同じ4輪独立懸架を採用した。だが、2000GTと較べると影が薄い。

 マイナー趣味車の烙印を押されそうになったが、次の6代目、R30スカイラインでは4気筒エンジン搭載車が存在感を際立たせている。81年秋、2000GTより一足遅れてデビューし、鮮烈な印象を残したのがDOHC4バルブエンジンを積む2000RSだ。4気筒エンジンだが、旧態化したL20型直列6気筒SOHCよりはるかに魅力的に映ったのだ。

 NAエンジンに続き、パワフルなターボを投入し、これをインタークーラー付きターボへと進化させている。史上最強を強くアピールしたことで4気筒ファンは溜飲を下げた。しかもR30スカイラインは伝統のサーフィンラインだけでなく、ロングノーズも廃したのである。エンジンにかかわらずボディは同じだから、廉価モデルを買ってもユーザーは劣等感を抱かない。RSシリーズの投入によって4気筒エンジン搭載車は復権を果たしたといえる。

 今、世界的にダウンサイジングの波が押し寄せている。6気筒エンジンに一本化されたスカイラインにも4気筒のターボモデルが復活した。鼻先が軽く、軽快なハンドリングの4気筒エンジン搭載車は、実はスカイラインにふさわしいレイアウトなのである。


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5代目のジャパンは、4気筒エンジン搭載車を「TI」シリーズと称し、GTと並ぶ2枚看板にしようともくろんだ。GT-E・Sタイプと同等のスポーティな装備のTI-E・Sを設定し、2000TI-E・Sはリアサスペンションも独立懸架になる。





脇役になってしまった4気筒シリーズが復権を果たすのは6代目のR30のときだ。DOHC4バルブの硬派モデル、RSが加わり、劣勢から優勢に転じるのである。これに続くRSターボはリッター当たり100psを超え、「史上最強」を誇示した。走りはGT以上に鮮烈だ。



初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スカイラインは4気筒か6気筒か?(全3記事)

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Photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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