あえてシングルカムで軽快にドライブを楽しむためのベレット1800GT|1972年式 いすゞ ベレット 1800 GT Vol.2

前後サスペンションはGTRと共通である。さらなるコーナリングの鋭さを追求するため、KONI製油圧式ショックといすゞスポーツ製中空スタビライザーを装着した。

       
1963年6月に発表され、同年10月26日から11月10日に開催された第10回全日本自動車ショーに展示。未来的なデザインの試作車やプロトタイプが並ぶショー会場において、現実的なフォルムを披露したベレット。多くの来場者たちに発売を強く期待させ、ショーが終わって間もない11月20日に主要都市で発売となった。


【1972年式 いすゞ ベレット 1800 GT Vol.2】【1】から続く

 ここで紹介するベレットは、1970年11月に追加された1800GTで、G180型直列4気筒SOHC、1817cc、SUツインキャブ、115㎰/5800rpm、15.5kgm /4200rpm、4速MTを搭載。

【画像20枚】中期型フロントグリルを装着。元はバンパーレス仕様だったが、フロントバンパーを装着して純正スタイルに戻したフロント周りなど

 オーナーは、この車両を手に入れて約2年になる。もともとはオートバイが好きで、イタリアのジレラ・サトルゥノやカワサキZ1、マッハ、RZなど、さまざまな車両を乗り継いできた。しかし、2年前に事故に遭い、オートバイを降りてクルマ趣味に転向。17年前に乗っていたTE27レビンを購入するか天秤にかけて迷った結果、ベレットの購入を決意した。

「当時はオーバーフェンダーの付いたTE27の武骨なフォルムやツインカムエンジンの荒々しさが好きでした。アクセルワークに機敏に反応し、高回転がパワフルでよかった。しかし、今は年齢を重ね、ツインカムにこだわらず、シングルカムで軽快にドライブを楽しむためにベレット1800GTを選びました。試乗してみて、自分の思ったラインを描くラック&ピニオンの切れの良さに魅力を感じ、またソレックスキャブの豪快さに昔乗っていたTE27を思い出し、気に入りました」



1972年式 いすゞ ベレット 1800 GT(PR95)
SPECIFICATION 諸元
全長 4015mm
全幅 1495mm
全高 1325mm
ホイールベース 2350mm
トレッド前/後 1260/1240mm
最低地上高 195mm
室内長 1480mm
室内幅 1240mm
室内高 1060mm
車両重量 950kg
乗車定員 4名
最高速度 180km/h
登坂能力 sinθ0.55
最小回転半径 5m
エンジン型式 G180型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1817cc
ボア×ストローク 84.0×82.0mm
圧縮比 9.7:1
最高出力 115ps/5800rpm
最大トルク 15.5kg-m/4200rpm
変速比 1速 3.207/2速 1.989/3速 1.356/4速 1.000/後退 3.592
最終減速比3 .727
燃料タンク容量 46L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン独立懸架コイルスプリング/ダイアゴナルリンク独立懸架コイルスプリング横置きリーフスプリング併用
ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
タイヤ前後とも 6.45-13-4PR
発売当時価格 87万円


【3】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 いすゞ ベレット 1800 GT(全3記事)

関連記事: 忘れ得ぬGT

関連記事: ベレット

photo : ISAO YATSUI/谷井 功

RECOMMENDED

RELATED

RANKING