旧車といえば、サビとのあくなき戦いやトラブルによる修理、メンテナンスなど、今どきのクルマに比べると、やたら手がかかるのが常識。1台を維持するだけでも大変なのに、世の中には、そんな旧車を複数台所有するモノ好きがけっこういたりするのだ。
ここで紹介する福田明男さんも、そんなモノ好きの1人。彼の場合は、もともとはバイク好きだったのが、旧車を1台入手したのをきっかけに、どっぷりと4輪にハマってしまったという。
そんな福田さんのガレージにおじゃまするため、住所をたどって到着したのは、滋賀県の琵琶湖の畔にある広大な敷地の別荘地だった。その一角に、ホンダ車5台を入れるガレージと駐車スペース、そしてログハウス別荘風の自宅が建てられていた。
そもそも、福田さんがこの地に住むきっかけになったのは、多数所有していたバイクを入れるためのガレージを持つことが目的。そのため、勤め先まで片道2時間かかるのも苦にせず、バイクライフを楽しむことにしたのだ。
いっぽう、趣味のバイク以外に、普段乗りとして117クーペにはじまり、ファミリア、CR-X、シビックSi、フィアット・ウノターボ、トゥデイ、ビート、シティカブリオレなどを乗り継いでいた。そして、以前から興味があったホンダの360シリーズに乗ってみようと思い、2005年にホンダNⅢを購入したのだ。
購入して10年。ボディの部分塗装を検討中。
ホイールは10インチのフォーミュラワンを装着。
インパネの3連メーターは、右から燃料計と警告灯のコンビ、スピードメーター、ウルトラ製のタコメーターを装備。右下は、ETCとヨシムラのマルチメーターを油温計として使用。グローブボックス下にはカーステも装備。
「高速でCHGランプが点灯し、セルダイナモからオイル漏れ。SAで10時間まってレスキューしてもらった」というトラブルもあったが、現在は快調。
鮮やかなオレンジのボディカラーと、独特のスタイルが気に入り、ネオライフで購入。
エンジンは水冷直列2気筒SOHC360㏄のEA型を搭載。ツインキャブ仕様で、36psを発揮する。点火系をウルトラ製のセミトランジスタで強化しているため、始動性もよく、高回転までキレイに吹け上がる。
360㏄のスペシャリティーカーらしく、ステアリングやインパネ回りはスパルタン。GSSはフロア5速MTが採用される。
トラブルフリーで快調そのもの。現在の走行距離は5万5200㎞。
旧車に魅せられ、気に入ったクルマを複数台所有する夢の旧車ライフ。確かにこの生活なら通勤2時間も苦にならない。
普段の足に使っている現行のライフ。360㏄と比べると、大きく、装備も充実していて手放せないとのこと。
掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)
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