【旧車と夢の詰まったガレージ vol.1 】
とある住宅地の中に突如として現れる真っ赤な2枚のシャッター。ドアまで赤く塗られたガレージは、赤とグレーのコントラストが見る者に強いインパクトを与える。
2階に居住部分のある、いわゆるガレージハウスだが、オーナーの自宅ではない。数年前、定年によるリタイアを控えたオーナーが、定年後に趣味を楽しむために、自宅近くに土地を見つけ、趣味の館としてのガレージハウスを建てることにした、というわけだ。
いざ建築を決意すると、知り合いのオーナーのガレージなどを見て、自分の理想のガレージを思い描いていった。当初造りたかったのは3階建てにし、1階からリフトで上げた愛車を2階のリビングで見られるようにしたかったという。
しかし、その通りに作るとかなりの建築費になることが判明。泣く泣く方針を変更し、現状のような1階ガレージ、2階リビング、という構造に落ち着いた。コストを抑えるために木造にしつつ、ガレージとして十分な広い空間を確保するために、耐力壁を櫛形に設置。
さらにその壁を利用した棚が作られるなど、設計士との細かいやり取りで造り上げていった。
【画像22枚】定年によるリタイアを控えたオーナーが、自分の理想を詰め込んで建てた理想のガレージ。シャッター自体は文化シヤッターの製品だが、角田さんの好きな色で、会社のコーポレートカラーでもある赤色で焼き付け塗装を施した>>クルマ仲間が増えるきっかけのポルシェは、長年乗り継いできている。赤色好きのオーナーだけに、以前は赤い911カレラに乗っていたが、現在はボディが黒、内装が真紅の911ターボを所有。
>>アバルトがチューンしたA112型エンジンを搭載するコルサ仕様のフィアットアバルト。かつてはTCRマフラーを装着していたが、住宅地では排気音が大きすぎるために交換済。
>>車名がそのまま、前輪(アバン)駆動(トラクシオン)を意味するトラクシオン・アバン。設計された1934年としては非常に先進的だったFFを採用し、以降のシトロエン車の基礎を作った。
初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 6月号 Vol.193
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
旧車と夢の詰まったガレージ(全2記事)関連記事:旧車の棲むガレージ【2】に続く