見事な逆転の発想カスタマイズを徹底解説!【画像8枚】愛しのRA3化を成就させたダウングレードカスタム、こだわりの内装メイクなどなど、とっても気になるRA3化の全貌はコチラから☆ベース車両は初代オデッセイ。
’90年代に日本のミニバン市場を確立し、カスタムミニバン全盛の時代を風靡した忘れがたき名車である。
新車から20年以上が過ぎた今も根強いファンが存在し、オーナーも初代オデッセイを2台乗り継いだ経歴を持つ筋金入りのフリークだ。
窓ガラスまでUS化を図ったマニアックなUSDMスタイルを土台に、足回りフル加工の生足ロワードで、17×10JのワークMCOレーシングをハンドル全切り可能なセッティングで履きこなすスタンスメイクが特筆もの。
ホンダ純正タフタホワイトをまとう外観は、過走行によるエンジンの限界で泣く泣く手放した元・愛機のRA3型オデッセイと見た目ウリ二つのクローンなのが実のトコロ。
しかも、ボンネット下に収まる心臓は高級車レジェンドと同じ3ℓ・V6のJ30Aエンジンがシレッと収まっているのもホンダマニアをニヤリとさせるアプローチだ。
ガワは4気筒モデルのRA3オデッセイだけど、中身はV6という思わぬギャップは、一見はまるでエンジンスワップを行ったかのよう。
が、オーナーが新たに選んだベースはV6のJ30Aエンジンが元から搭載された忘却の上級車種が実体。
RA5型“オデッセイ・プレステージ”に元愛車のボディパーツもろもろを移植してRA3型化けを図ったのでアリマス♪
日本専売の希少V6オデッセイによるグレードダウンカスタムで、ホンダマニアも息を飲む玄人フィニッシュを手にしたこの1台。
万人にはワカリずらい手数にコダワるUSDMスタンスの真髄をいく渾身の作に拍手喝采っス!
>>内装はブリッドのセミバケに交換した前席に合わせて、後席や天井の一部も同じBRIDEのグラデーションロゴの生地で張り替え済み。
>>3列目シート脇のクッションはRA5型のみ備わる専用品で、ベースの元ネタを物語る唯一の意匠。なおインパネはメーターパネル一式をマイルメーターのUS純正品にコンバート済みだ。
>>ブラッディレッド仕様のワークM.C.Oレーシング・タイプCSは、前後17×10Jのインセット25。タイヤサイズはフロント:205/45にリア:215/45で、ミシュランのパイロットスポーツ4にコダワった。
>>ベースとなるRA5型プレステージは、ボディ本体こそ4気筒の標準モデル共通だが、フェイスやバンパー、ドアなど各部のパネルは別物。元愛車RA3型をドナーにしたUSDM化はドア全交換も行い、長さが異なるフロントノーズはメンバーサポート鈑金による短縮加工を介して部品移植を可能とした。
>>RA5型はリアゲートも異なるため、元愛車のRA3から移植。専用の分厚いルーフモールも外してRA3用に交換している。
>>窓ガラスもプライバシーガラスだったため、USDM化していた前愛車からクリアガラスを移植。現車も完璧なUSDM化を成就させた。
>>3ℓ・V6のVTECを搭載する初代オデッセイの高級版として、’97年に追加された“オデッセイ・プレステージ”は国内専用モデル。そのためアメリカの初代オデマニアは日本専売のプレステージに憧れるあまり、同じJ30A型を積む北米版レジェンド(アキュラRL)のエンジンスワップを敢行したツワモノが多数存在するそう。ガワは4発のRA3型で、心臓はもともとV6という愛車は、そんなUS現地のJDMカスタムも結果的に再現することに。
>>「RA3が好きすぎて……。もう一度RA3を買うことも考えたけど、それじゃ面白くないじゃないですか(笑)」とは、オーナー談。RA5のエンジンスワップ? とカン違いする人が多数なんだとか。
『カスタムCAR』2020年3月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:オデッセイ・プレステージ(RA5)/1998年型
SOURCE:R.E.I performance