【フェンダーとツラの黄金比を体現!!】ワイドボディ&美麗なエンジンルームも見逃せない180SX

ワンオフフェンダーが美しい180SX

       
ライン美で魅せるワンオフフェンダー
巧みなモディファイで本誌アワード獲得!!

【画像7枚】上品さも兼ね備える自然なワイドボディ、ワンオフパネルで美麗なエンジンルームメイクなど、注目のカスタマイズの全容はココをチェック♪


この漆黒の180SX。

エンジンルームの作り込みこそ美しいが、地味な印象を抱いた人も多いかもしれない。
が、その地味ながらも、センスが光るボディの作り込みに魅了される。
パッと見では判らない完成度の高いボディワークの結晶というべきマシンなのだ。

一般的に純正のボディラインを崩すような大幅なボディワークを施す場合、完成度が高ければ高いほど、その変更点が判りづらくなるもの。

まさしくその言葉の権化のようなマシンをビルドしたオーナーは、「大人が同窓会に乗っていけるクルマ」をコンセプトに、シンプルなシャコタンスタイルへとボディメイクを開始。

ワイド化した前後のフェンダーアーチ形状は、ただフレアするだけでなく、イマドキの欧州車のラインをイメージしつつ、アーチ上げで現代的なシルエットに変更。
車高はHKSの車高調をベースに、フェンダーありきでツラッツラのセッティングとした。

さらに、注目すべき点はエンジンルーム。
鉄板でワンオフしたデザインパネルによって、美しいエンジンベイを獲得している。
パイプ類の可能な限りのブラックアウトでショーアップした点も見逃せない。
そんな目に見えない努力と創造力によって、このクルマの魅力が形成されていったというワケだ。

実はこのクルマを製作することになったのは、クルマに興味のない奥様に「このクルマなら乗ろうかな」と言われたのが最初のきっかけという。
奥様のアシグルマとしてレストアをスタートしたものの……「結局エスカレートしてこんなになっちゃいました(笑)。当然奥さんは乗ってくれません」とのこと。

奥様にそっぽを向かれたという“オチ”までつく見事なカスタムなのでした(笑)。



>>正面から見ると、いかにフェンダーアーチが上方に移動しているかがわかる。アーチ形状もBMWなどを参考に、現代的な形状にブラッシュアップすることで、タイヤがフェンダーに必要以上に被らずに大人な雰囲気のまま車高を下げることができるそうだ。


>>フェンダーは純正フェンダーをごっそり切って、1枚ものの鉄板を切り出してワンオフした逸品。フロントが2.5cmワイドで、アーチを3cm上方に移動。リアは4.5cmワイドで4cm上方にアーチアップしている。純正然とした仕上がりだが、BMWなど欧州車をイメージして成形したプレスラインが秀逸だ。


>>ツラッツラで合わせたホイールは、NISMO 370Zの専用ホイール(19×10J)を前後ともに流用している。


>>ダッシュは丸ごとS15シルビア用に交換され、見た目も古臭さを感じさせない仕上がりだ。


>>BRIDEのセミバケットシートを装着し、乗り心地も改善されている。


>>ワンオフで作り上げたエンジンパネルは、FRP不使用の純度100%の鉄板メイド。エンジンルームの造作は、インナーフェンダーを一部カットしてしまったため、強度確保の側面もある。いわゆるサイクルフェンダーとは形状が異なるため「インナーブリスター」と命名した。ストラットタワーバーを兼ねた後部(バルクヘッド側)は脱着式となっていて、車体番号の刻印にアクセス可能。搭載のSRエンジンはカムとタービン、ガスケットなどを変更し、約300psを発生する。


>>「ちょっと車高を下げただけの180SX」に見えるという当初の目標を見事達成。実際に普段乗っても恥ずかしくない大人の乗り物に仕上がったのだ。


『カスタムCAR』2019年3月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:180SX/1996年型
SOURCE:イシカワボディ

PHOTO & TEXT/勝村大輔

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