平成時代まで現役で販売されてたにもかかわらず(※ワゴンのみ)、いまや“旧車”の代名詞にもなってるワイサンことY30系セド/グロ。武骨で四角くてワルそうなスタイリングも人気の秘密だが、実は“パーツ流用のしやすさ”という日産ならではの強みもある。ここにご登場頂く昭和62年型Y30セダンは、複数の同型モデルを所有するコアなマニアで知られるオーナーが「2015年
ホットロッドカスタムショー」に殴り込みをかけた意欲作だ。
1990年代に大流行したハイテックテイストを思わせるフルスムースなボディはアメリカンカスタムの香りがプンプンだけど、実は誰もが驚いたのが、その足元。なんと1970年代にアメリカの周回レースを暴れ回ったS30Zや510ブルーバードに履かれてた往年のアメリカンレーシング・リブレ! わざわざシルビアの足回りを移植し4穴ハブ化も果たしたうえでのこのチョイス。筋金入りの日産党でもあるだけに、歴史あるUSモノに手が伸びるのも自然な成り行きだったのかも。
で、それに負けないパフォーマンスを秘めてるのもスゴいところ。V型6気筒からシルビア系で使われるSR20ターボに載せ替え、ハイカムやピストン交換でエンジン内部もパワーアップ。HKSタービンまで組んで、ナロード加工&ノンスリ組み込み済みのリアエンドでバリバリ走れるパフォーマンスも手に入れちゃったのだ。
Y30系ではここまでボディに手を入れたクルマも今まで例がなかったけど、その数々のテクニックは、このモデルを知り抜くDIYマニアならではの技巧がテンコ盛り。それに加えて足回りからエンジンまでキッチリ作り込んでくる男っぷりは、旧車+走り+アメリカンの新しいコラボを展開してくれるもの。旧車の楽しみ方にはまだまだ幾多の可能性があるってことなのデス!
【画像12枚】オーナーはこのクルマの他にもセダン/ワゴンを所有するY30マニア!その詳細と全貌はコチラ!>>左サイドのコーナーレンズはよく見りゃダミーで、実際にはエアインテーク。鈑金でルーバー加工したもので、エアブラシでレンズに見せかけている。
>>フューエルリッドをスムーズにしたため、給油口をリロケート。トランクを開ければ、給油口が顔を出す。
初出:カスタムCAR 2015年3月号 Vol.437
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Base Car:1982年型 セドリック