【街道レーサー×ローライダーの融合】懐かしくも新しいマークⅡのスタイル美に驚嘆!

       
このクルマをひと目見て「街道レーサー仕様ね」と言われれば、そのとおり。しかし、ディテールを見ていくと、コダワリのポイントが「街道ひと筋」のノリとは異なるコトに気付かされる。

オーナーがカスタム開始時に掲げたキーワードは、パーソナルカラーの「グリーン」と「SSRマークⅢ」。それゆえ、愛車であるGX61の前期マークⅡの色に純正グリーンを選択。そこに当時のトーニングカラー風のアレンジをライトグリーンで加えた。グリーンに塗ったSSRマークⅢは、好きが昂じてファーストカーのベルエアにも履かせるほど。実はオーナーがヒップホップ好きのローライダーなのだ。そして、ローライダーのノリに起因するマークⅡのハイライトは、エングレービングが施されたホイールとステアリング。ホイールは段リムのアウト側だけに彫り込まれ、カスタムのバランス感覚が冴え渡る。

ここで考えさせられるのは、抑えを効かせることの難しさ。目指す仕様に沿ったテイストのものを組み込んでいけば、それらしく見えるのは当たり前。しかしそれは、得てしてやりすぎに繋がり、望まないアクの強さが出てしまうコトも。

時代のごった煮の様相を呈して行きがちな’80年代モノ。その中で、必要にして十分というラインがどこなのかを見極めることが、時代を超えてその仕様をリスペクトしている証といえる。このマークⅡにはその心意気が潜むのだ。

【画像8点>>GX61 マークⅡのディテールをCHECK!!】



>>純正グリーンをベースに違和感を感じさせないツートンで魅せた戦略は成功。外観だけでも5種類以上の緑色を使用している。



>>DEデミオのスピリティッドグリーンメタリックで施されたナックルラインや、WiLLサイファのミドリで手描きされたリアコンビのスリットラインなどをペイントで表現する。


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>>購入時3万km台だっただけに室内のコンディションは超良好。定番の水中花シフトノブやシガーライター、花瓶なども徹底して緑色を選択。和洋折衷な車内に仕上がっている。


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>>エングレービングは、ド直球のリーフ柄。街道レーサーにローライダーテイストを組み込むバランス感にセンスがあふれ出る。


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>>リアフェンダーは片側50㎜ワイド化。SSRマークⅢは前9J、後11J。支える足は前が86用と純正ストラットの組み合わせ、後ろはエスティマ用を流用している。


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>>緑色に輝くTS-X60の脇に置かれているのは「クルマにポピー」。TWINCAM24のパロディステッカーなども自作。


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>>エンジンは6気筒シングルカムの1G-EU。シングルカムはツインカムへの載せ換えが定石だったため、シングルカム搭載の個体がキレイに残存するのはかなりレアだ。エアフロセンサーを塗った缶スプレーの蓋をインテークパイプに使用している。


『カスタムCAR』2018年1月号掲載
BASE CAR:マークⅡ・ハードトップ 1980年型

PHOTO/井上 誠 TEXT/古川教夫

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