イベント車ながらもトラックらしい働くイメージを大切にしたかったという狙い通り、関東の鮮魚便を彷彿させるような迫力たっぷりの満艦飾スタイルを獲得している。量感たっぷりなパーツをこれだけ多投しながらも、スタイリッシュに仕上げたあたりは、掛札さんのセンスのなせる技といえるだろう。
そんなキャブアートの中心をなしているのが、厚さ50cm、張り出し100cmのキャデラックバンパー。バイザー&ミラーステー、サイドバンパー、リアバンパーと、主要パーツはこのキャデラックバンパーを核に寸法出しを行うことで、見事なバランス美を披露するほか、5段ハチ巻きの鳥カゴ型シートキャリアが見応え満点だ。
そして箱3面に描かれた波絵が圧巻の存在感を放つ。このペイントは自らが塗装したという細かい下地のレインボーラメが大きな特徴。豪快な波は、このラメを生かすようにペイントされており、近づいてみると全体がキラキラと輝き、また違った趣をみせる。また随所にあしらった赤の筆文字が雰囲気を盛り上げている。
ほかにもハンドメイドした箱ロケットや、合計18発の8角テールが並ぶリアビューなど見どころ満載。目の肥えたファンを魅了する要注目の1台だ。
【写真6点】関東の鮮魚便らしさを追い求めて。カミオン2008年9月号トップアートをもとに再構成